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廃藩置県と天皇

2006-03-08 11:27:53 | 歴史
先週の「その時歴史が…」は廃藩置県の顛末でした。昨今の市町村合併に合わせて…というか,今道州制の議論もされているので,それに合わせてきてるのでしょう。
廃藩置県は明治四年に行われたようですが,大政奉還よりも大変なことでした…ということです。良く考えたらその通りで,大政奉還は徳川幕府だけで何とかなるのが,廃藩置県は全国の大名をなんとかしないといけない。しかも薩長が牛耳ってる新政権もさすがの君主(大名)に逆らえない…ということで…。
結局のところはかなり強引にやったと。でも明治になって財政とかいろいろ破綻していた大名は意外にも対した反発をせず,最後まで怒っていたのは島津だけだった…という顛末でした。

ちょっと話を変えますが,ここしばらく例の皇室典範改正の話から天皇が日本で行ってきた役割を考えてました。
わたしが思うに「天皇」という機能が日本になかったら,おそらく明治維新と太平洋戦争の戦後…というのは,もっと混乱しただろうと思います。
思うに日本で権力委譲があった時に本気で天皇をなくそうかと悩んだのは源頼朝と織田信長の二人だけだったのではないでしょうか?。頼朝は悩む…というよりそのチャンスがあった…という表現が正しいかも知れませんが。そしてそれ以外の権力者は権力を得ても天皇を利用するとう選択をしてきたと思います。そして肝心の天皇も後醍醐天皇以降は,自分で政権を取ろうとはせず,ときの権力者と協力関係を保ってきたと思います。
まぁそれはいいとして,つまり江戸時代の末にはすっかり「中空な権威としての天皇」になっていた(まぁすでに室町時代にはそうなっていたとも言えますが)わけで,権威ではあるけど,統治はしない…という天皇の機能が,将軍がいなくなった後の(若僧がきりもりしていた)政府に権威を与え,混乱が起きなかったし,戦後も自分達がアメリカに支配されているということから目をそむけさせたのではないでしょうか?。ってことはGHQは将軍と一緒なわけですね:-p。
まぁ権威といっても一般の市民には関係なく,市民は単に年貢を取りに来た役人が変わったくらいの意識しかなく,その権威にしたがったのは当時の有力者…ってことになるのだと思います。
といういうことを考えると,天皇の権威というのは日本の権力者同士の争いという混乱を悪化させない安全装置として機能してると言えます。そういう意味じゃローマ教会もヨーロッパの安全装置というわけかも知れません。

…とうわけで,国民の総意とかいう話が出てますが,天皇を利用し機能させるのは実は権力者やその後の権力者だったりするわけで,そういう意味で言うと最近女系容認論がアンケートとかでは半数を越えてますが,「正直どうでも良い」と思ってる人の意見を聞いても仕方がないような気がしてます。というか反対している人の意見をもうちょっと聞かないと何とも言えない。次に権力を取った人が「女系天皇なんて天皇じゃない」とその時の天皇を否定して別の天皇を立てたり…っていうのが,起きたりしないためにも…。
まぁ,天皇の話は,あまり興味がない人が多いのかも知れませんが,やっぱり戦後と明治にほとんど混乱なく改革が進んだ日本って国は希有だと思います。
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どうでも良いというのも (ともっち)
2006-03-10 13:02:25
一つの意見だとは思います。それは、国民は今のところ天皇は必要としない環境であるということですね。ところで天皇が男性であれば、男系であれば、おっしゃるような安全装置的な役割が果たせるかどうかは分かりません。天皇という権威、ブランドがそうさせるのですから、その性別はあまりこだわるのは妥当ではない、と考えます。
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Unknown (たろ)
2006-03-14 07:52:57
一つの意見は意見ですね。それはそれでいいと思いますが,現代人は自分達の意見で物事を決めるって感覚を疑ってなくて,この問題に限らず,その事に関する疑問はあります。



話が飛びますが,例えば,ビルの工事現場から遺跡が出てきたら,調査して,調査が終わったら掘ってしまう。後世の人が観たら,あの状態でとっておいてくれたら,もっといろいろわかったのに…と思うかも知れません。最近カビが問題になってる古墳の壁画とかも,現代人が安易に開けちゃったので起きてることですね。



その時それがベストな判断だと思っても,後世からみたらとんでもない判断だった…ってことはあり得ないわけではありません。自然破壊もしかり。



個人的には天皇問題はどちらに転んでもどうでも良い…って気分はありますが,それ以外も含めて伝統的に続いているものを変更するときに,「今の世」のことだけで考えちゃうのもどうなのだろう?…と時々思います。
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