昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
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八重山博物館で見た「勾玉」

2007年08月09日 | 沖縄の旅
八重山博物館に「勾玉(まがたま)」が展示されていました。
「勾玉」と言えば三種の神器(さんしゅのじんぎ)など、神話時代のことが思い浮かびます。しかし、沖縄で「勾玉」に出会うとは実に意外でした。

説明には「ビーロースク遺跡出土 13~15世紀」とあり、神話時代からざっと千年後の遺跡から発見されたものと言えます。
ところが、現代の沖縄にもノロ(女性の司祭)が「勾玉」を身に着けることもあり、「藁算」「象形文字」などと合せ、沖縄には、とてつもなく古い文化を保持する力を感じます。


石垣市新川の喜田盛遺跡から出土した15~16世紀頃の勾玉(説明書は「曲玉」)がありました。
この石垣島に勾玉が伝わった経路や、時代は分りませんが、縄文時代に始まる勾玉が続いていたことに感動しました。
島根県松江市に「出雲玉作資料館」があり、平安時代まで「勾玉」が作られていたようで、現代にも技術が伝承されているようです。
一昨年見学しましたが、展示されていたメノウの原石の美しさが印象的でした。
勾玉と、沖縄といえば「吉野ヶ里遺跡」の出土品ゴホウラ貝の腕輪を思い出します。
弥生時代の遺跡、吉野ヶ里から、沖縄地方のゴホウラやイモガイなど貝の腕輪や、新潟県糸魚川産のヒスイ製の勾玉が出土し、当時の交易は、我々の想像をはるかに超える距離で行なわれていたようです。


パナリ焼の「土製勾玉」が展示されていました。
パナリ焼は、西表島の南東にある新城(あらぐすく)島で作られていた焼き物で、約100年前ころまで続いていたようです。
貝を潰して粘土に混ぜる点に特徴があり、東隣の黒島の遺跡からのみ多量に出土していると説明されています。
作ってみたものの人気がなく、普及しなかったのでしょうか?
縄文時代、弥生時代、古墳時代の全国の遺跡からも「土製勾玉」は、出土していますが、時代と場所を大きく隔てた黒島の「土製勾玉」は不思議な存在です。


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