昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
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旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

名水百選「垣花桶川」と、長い石畳の坂道

2008年09月30日 | 沖縄の旅
「仲村渠樋川」[なかんだかりひーじゃー]の次に、沖縄県唯一の全国名水百選「垣花樋川」[かきのはなひーじゃー]に行きました。
「垣花樋川」は、沖縄県南城市玉城字垣花にあり、「仲村渠樋川」のすぐ近くにあります。



写真は、「垣花樋川」[かきのはなひーじゃー]の入り口で、道路から直角に下り道が始まっています。
この入口の向って右側に2~3台駐車可能な駐車場があり、利用させて頂きました。
この道を進むと長い下り坂が続いています。



アスファルト舗装の下り道を少し進むと石畳道になります。

更に更に進むと道端に大きい平らな石が置かれています。
横の案内板には「イーユクイイシヌヒライサー(上休み石の平石)」と書かれていました。
丘の上にある垣花集落の人達が、生活用水を汲んで長い坂道を登る途中、休憩で座った石のようです。

石畳道の上には金属製の水道管が見えます。
下の「垣花樋川」の湧水を簡易水道で使っていると聞き、ポンプで水を汲み上げているとも考えましたが、100mもある坂道の高低差で、本当に下の水源地から水が登って行くのか不思議にも思えます。



さらに下っていくと、二つ目の平らな石が置かれていました。
案内板には「ナカユクイイシ(中休み石)」と書かれ、ここでも人々が休憩したようです。

石は、草で覆われ、周りに小さな赤い花が咲いていました。



うっそうとした長い坂道を進むと、突然視界が広がります。
「垣花桶川」と、丘の下に美しい海の景色が見えてきました。

道が二手に分かれ、向って左上の道に進むとブロック造りの小屋があり、その先には「イナグンカー」(女の川)といわれる湧水があるようです。
この小屋は簡易水道のポンプ室かも知れません。

向って右の道を進むと再び道が分かれて、左に進むと「イキガンカー」(男の川)、右に下ると「ンマミシガー」(馬浴川)があります。

■案内板があり、転記します。
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垣花樋川[かきのはなひーじゃー](俗称 シチャンカー)
 天然の美しい川や泉を保全して後生に伝えるという目的で推薦され、昭和60年に環境庁の全国名水百選に選ばれた。百選の中でも最初は全国31件が選ばれこれに入選した。垣花樋川は集落の南側にあって、石畳の急な坂道を100メートルほど降りて行くと、左側のうっそうと繁った林の中腹岩根から湧水が湧き出ている。
 かっては左側上のイナグンカー(女の川)は女が使い、右側下のイキガンカー(男の川)は男が使っていた。その下流の浅い水たまりはンマミシガー(馬浴川)、全体をまとめてシチャンカー(下の川)と呼ばれ、樋川から流れた水は下の田をうるおし、稲作が盛んであった。垣花村の人々はトチャンカーで水浴び、洗濯、野菜洗い、水汲みをするためカービラ(川の坂)を行き来した。石畳道の途中には女たちが一息入れたナカユクイイシ(中休み石)、イーユクイイシヌヒライサー(上休み石の平石)が残っている。
 現在は、簡易水道として地域の飲料水等の生活用水や、農業用水として利用されている。
 平成18年1月 南城市玉城字垣花
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二つ目の分かれ道を左に進むと、道の先に「イキガンカー」(男の川)が見えてきます。
道の途中にはベンチが二つ置かれています。

斜面のあちこちから水が湧き、水の流れる音が聞こえてきました。



左上を見上げると、最初に見えたブロックの小屋があり、その横から勢いよく水が落ちていました。
「イナグンカー」(女の川)から湧いた水のようです。

「仲村渠樋川」もそうでしたが、男女で使う水汲み場が違っていたようです。
トイレが男女別なら分かりますが・・・。



右下に見える池が、「ンマミシガー」(馬浴川)です。
向って左上の「イキガンカー」(男の川)や、「イナグンカー」(女の川)から水が流れ込んでいます。



「イキガンカー」(男の川)です。
四方をコンクリートで囲われて、下の水溜めは浅いものでした。

向って右上に石を四角に組んだ拝所があり、その後ろによく分かりませんが「サキシマスオウノキ」に似た板根のある大きな木がありました。



「イキガンカー」(男の川)では勢いよく水が流れ出ていました。

溝の突き当りに水源の穴があり、その周囲に「クワズイモ」の大きな葉が生い茂っています。
穴の奥をのぞいて見ましたが神秘の闇でした。


大木が「イキガンカー」の周囲にそびえています。
その生命力に圧倒されます。



上から見下ろした「ンマミシガー」(馬浴川)です。
水の透明さがよく分かります。

「ンマミシガー」(馬浴川)には赤い小さな魚がおよいでいました。


「ンマミシガー」(馬浴川)の先に畑があり、地元の農家のご夫婦が農作業に精を出していました。
うす曇でしたが、美しい海が広がり「仲村渠樋川」[なかんだかりひーじゃー]で楽園のような安らぎのひと時でした。

帰りの長い上り坂を、昔の水汲みの人々と同じように「ナカユクイイシ(中休み)」や、「イーユクイイシヌヒライサー(上休み石の平石)」で一休みしながら帰りました。


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