今回は子供向けの鉄道入門書のはなし
第2回は秋田書店のカラー版ジュニア入門百科「鉄道ものしり百科」から
筆者の佐藤常治氏は大人向けの旅行書なども手掛けるレールウェイライターのはしりだった方です。
「鉄道の事ならなんでもわかる鉄道入門書です。貴重な資料と楽しいマンガで解説してあるので、おもしろく読めます。」
「一読、鉄道ものしり博士になれる鉄道ファン必読の本です」
というのが、本書の裏表紙に書かれた煽り文句です。
なんか随分と吹いている様な文章ですが当時の児童向け入門書の中ではこれでも比較的おとなしい方です(笑)
本書を一読して驚かされるのは児童書とは思えない文章の多さとそれに伴う情報量の多さです。
見開きに申し訳程度に写真やイラストが付いているなんてのはまだ良い方で、見開き全部が文章というページも珍しくありません。
確かに当時の小学生でも全部が活字でできている児童文学書なんかを普通に読んでいたような時代なのでこういう構成の入門書も普通に存在していた訳ですが。
今だったら大人の読者でも敬遠しかねない字の多さではあります(笑)
それだけに本の大きさから想像するよりも情報量は非常に多く、時刻表に掲載されている列車番号種別の見分け方とかダイヤ改正の話なんかもあったりします。
その一方で車両そのものについての記述は意外と少なく、蒸気機関車の形式については文章主体、230からD52までがたった6ページに収められているというハードボイルドさ。
(おまけにその4ページのうち丸々1ページ分のスペースが著者の息子さんが描いた「8620の鉛筆画」で占められていたりします)
著者のメインフィールドが旅行書らしい事は略歴から見ても伺えますが、それにしても車両以外の路線や駅の話に割かれるページの多さはやはりSLブームの当時の入門書としてはかなり異色といえます。
ただ、あの頃の子供は大概「キシャの絵本」の2,3冊も持っているのが普通でしたしビジュアル的な部分を絵本に任せてよりハイブロウな情報を児童向け入門書に特化しようとした意図はあったのかもしれません。
その意味ではいきなり本書から鉄道趣味に入ろうとしたお子様は随分面食らったのではないかと思います。
一方でその情報量の多さからこれを丸暗記した子は間違いなく「クラスの鉄オタ・・・じゃなかった鉄道博士」位のステイタスを得たのではないかと。
第2回は秋田書店のカラー版ジュニア入門百科「鉄道ものしり百科」から
筆者の佐藤常治氏は大人向けの旅行書なども手掛けるレールウェイライターのはしりだった方です。
「鉄道の事ならなんでもわかる鉄道入門書です。貴重な資料と楽しいマンガで解説してあるので、おもしろく読めます。」
「一読、鉄道ものしり博士になれる鉄道ファン必読の本です」
というのが、本書の裏表紙に書かれた煽り文句です。
なんか随分と吹いている様な文章ですが当時の児童向け入門書の中ではこれでも比較的おとなしい方です(笑)
本書を一読して驚かされるのは児童書とは思えない文章の多さとそれに伴う情報量の多さです。
見開きに申し訳程度に写真やイラストが付いているなんてのはまだ良い方で、見開き全部が文章というページも珍しくありません。
確かに当時の小学生でも全部が活字でできている児童文学書なんかを普通に読んでいたような時代なのでこういう構成の入門書も普通に存在していた訳ですが。
今だったら大人の読者でも敬遠しかねない字の多さではあります(笑)
それだけに本の大きさから想像するよりも情報量は非常に多く、時刻表に掲載されている列車番号種別の見分け方とかダイヤ改正の話なんかもあったりします。
その一方で車両そのものについての記述は意外と少なく、蒸気機関車の形式については文章主体、230からD52までがたった6ページに収められているというハードボイルドさ。
(おまけにその4ページのうち丸々1ページ分のスペースが著者の息子さんが描いた「8620の鉛筆画」で占められていたりします)
著者のメインフィールドが旅行書らしい事は略歴から見ても伺えますが、それにしても車両以外の路線や駅の話に割かれるページの多さはやはりSLブームの当時の入門書としてはかなり異色といえます。
ただ、あの頃の子供は大概「キシャの絵本」の2,3冊も持っているのが普通でしたしビジュアル的な部分を絵本に任せてよりハイブロウな情報を児童向け入門書に特化しようとした意図はあったのかもしれません。
その意味ではいきなり本書から鉄道趣味に入ろうとしたお子様は随分面食らったのではないかと思います。
一方でその情報量の多さからこれを丸暗記した子は間違いなく「クラスの鉄オタ・・・じゃなかった鉄道博士」位のステイタスを得たのではないかと。