長男坊が高校を卒業して、入学まで春休みとして家に居る。入学式に着る服としてスーツを作った。私もそうだったが、初めて背広を着るときは、なんか自分も大人になった様な気がする。少し、照れくさい様な、それでも嬉しい物なのだ。ネクタイをするのもへたくそで、何処と無くギコチナイ!靴は今の若者に流行の、先の長い靴である。私なんかが見ると、「先をもう少し太くするとチャップリンの靴みたいだなー」と思えてしまうが、これが若者の流行なのだろう。髪型も片一方が短く、片一方が長い、変てこな髪型である。
「そんな頭は何て言って床屋でやってもらうんだ?」と私が聞くと、(この床屋と言っているのがもう古い様だが?)
息子 「アシメしてと言うんだ」
私 「アシメって何だ?」
息子 「アシメはアシメや!」
それを聞いていた妻が 「アシメは、アンシンメトリーの略よ。」と、 (んー、この人は何でも知っているな!)
妻 「シンメトリーとは左右対称、アンシンメトリーだから左右非対称と言う事」
妻が息子のネクタイを締めなおしている。きっと18年前に、この子を産んだ時、こんな、ひと時が来るのも望んでいたに違いない。
一つずつ、成長する息子を見ながら嬉しくなった。