いよいよ、青竹箸の製作も大詰めになってきた。綺麗に洗ったものと、簡単に汚れを落としたものでは、こんなに違う。洗ったばかりに見てみると、ほとんど違いは無いのであるが、表面の水が乾いてくると大違いである。
青竹箸、美しさが命。
1膳分になっている竹を2本に割り、まず、切り出しナイフで1本1本が真四角の状態にする。全ての作業の途中途中で、ペアーになっている1本1本を輪ゴムで縛り、色が抜けないように水に浸けてく。何故こんな面倒臭い事をするのか?と言えば、同じように見えて、竹1本1本の色が微妙に違う。又、節の位置や形がホンの少し違うからだ。1組づつ、ペアーを作って置かないと見た時の感動が無くなってしまう。
今度は、1組づつを手カンナで削りだしていく。竹の歪み、曲がりを何回も見ながら、先端から元まで、置いた時にピシッと揃って、凛とした美しさが無ければいけない。
削り出したお箸に、最後の面取りをする。研ぎ上げた切り出しナイフで息を止めて一気に削っていく。途中で手を休めると、どうしても段が付いてしまって美しくない。持った時の手触りと見た目の優しさを、面取りがするのだ。
乾いた竹を作るのより、数倍手間と神経を使うのが、この「青竹箸」である。