ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

高野ワールド

2011-01-21 15:20:55 | 
高野秀行の新刊「腰痛探検家」を読んだ。

当初、腰痛ネタだけで一冊の本が書けるものなのか。失礼ながら、
腰痛だけのネタじゃたいして期待できないんじゃないかと疑って
いた。

もしかしたら、どこそこの整体師は名人だとか、こういう体操が
腰にいいとか、そういった腰痛談義だったらとやや不安だったが、
読み終えた今は、無用の心配だったと恥じている。

この物語は、究極の腰痛談義というか、腰痛と果敢に戦った人間
のお笑いの記録である。

彼は、西洋医学から整体、東洋医学など、さまざまな治療法に挑
み、果ては超能力さえ試みる。

そもそも腰痛持ちではない私は、これほど多くの治療方法がある
ことさえ知らなかった。

また、各種の治療に挑むとなると、腰は痛いし、金もかかるし、
そもそも治らないから次々に新しい治療を試さなければならないの
であって、不幸なことこの上ない。それを読者に笑ってもらおうと
いうライター根性には感心である。。

彼の肩書きは「辺境作家」だ。

しかし、世界に辺境という場所がどんどん少なくなっていく
昨今、辺境ばかりを追求するのも容易ではないに違いない。

それでも、このような体を張った取材力を生かした作品ならば、
例え「辺境」ものでなくても、彼の面白さは充分伝わるもの
である。

この本の中で紹介されている夏樹静子の「腰痛放浪記~椅子がこ
わい」これも読みたくなってきたな。



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