花歩る木

山と旅がすきです

山種美術館(渋谷区)

2011-12-14 12:44:49 | 美術館

  12月13日 山種美術館へ行ってきました。
        
        今年(2011年)、開館45周年を迎えて      
        「ザ・ベスト・オブ山種コレクション」 の
        【前期】江戸絵画から近代日本画へ・・・を見てきました。

        

        2009年に引越しした新美術館は恵比寿駅から歩いて15分位。
        駒沢通りにあり、周辺には学校、大使館などが多い文化的な地域です。

        
                 新 「山種美術館」 の入口    
           
             
               エントランスには、加山又造の陶板壁画 「千羽鶴」(1977年)が出迎えてくれます。



                  
        3代目館長の山崎妙子さん                       開館前のカフェ「椿」
        山種証券の創業者、山崎種二さんが創設した
        日本で最初の日本画専門美術館を継いだ。
        東京芸大大学院では速水御舟の研究で博士号取得。

        もともとは絵に書いたようなお嬢様で、
        現皇太子妃候補と騒がれたこともあるそうです。
        この人の講演を聞きたくてチャンスを窺っているのですが…。

 

        音声ガイドと作品説明で作品にまつわるエピソードを知りました。
        
        班猫(はんびょう)
        竹内栖鳳   重要文化財
        モデルとなった猫は栖鳳が沼津に滞在していた時、
        偶然見つけた近所の八百屋のおかみさんの愛猫
        であったのを交渉して譲り受けて京都に連れ帰り
        毎日観察して作品に仕上げたもの。                 
                                                裸婦図 村上華岳                       
                       

        村上華岳 「裸婦図」  村上は「久遠の女性」を描くべく、アジャンタの観音菩薩や、
        ダヴィンチの女性像を参考にし、あらゆる清浄さを持たせ、肉体であると同時に
        霊でもある像を完成させた。
       
        これが1956年松屋百貨店で展示されたとき、事情あって熱海へ自殺に行こうと
        していたある若い女性がこの絵を見て、はじめ母親が「生きなさい」といっているように
        見え、次に姉が「死んではいけない、げんきを出しなさい」とはげましているように感じ、
        思いとどまった。そのことを後に主催者に手紙で知らせてきた。
        2006年11月12日の読売新聞の 「編集手帳」 に このことが掲載され、
        今回、その記事の写しが絵の横に掲示されていました。

        この2点は山種美術館所蔵の絵画の人気ベストスリーに入っていました。

        
        山崎種二は 「そろそろ世の中のためになることをやったらどうか」
        という横山大観の言葉に従い、美術館を造り、
               「絵は人柄である」 という理念の下、日本画家へのサポートを続け、
        2代目山崎富治、3代目山崎妙子館長と美術館は続いているのです。


        


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