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「いいんだ。待っている間に恋が芽生えた」

2006年01月21日 | パルプ小説を愉しむ
『モンキーズ・レインコート』(ロバート・クレイス)の主人公エルビス・コールはLAの私立探偵。相棒のジョー・パイクは、銃砲店を営みながら、身辺警護役や家屋への突撃役など、もっぱ武闘系を担当し、クリント・イーストウッドを口数が多いと考える役回り。2人の関係は、パーカー描くところのスペンサーとホークに似ている。

エルビスもタフぶりにかけてはひけをとらず、ベトナム帰りで東洋武術を身につけ、タフな悪党と相対するものの、読者に口でタフぶりを売り込むことが多いのが飽きてくる。

LA警察特捜部のエリート刑事と渡り合うとき、刑事の脅しに対して、

「女をくどくときにも、そう言うのかい」

と切り返してみたり、仕事での聞き込みの最中に秘書連中にタフぶりながらちょっかい出したりもする。待たされた時には、

「いいんだ。待っている間に恋が芽生えた」

とか、相手の注意を惹くためにちょっとHな話をして、

「あなとの圧倒的な性的魅了のためでもあると思う」

と言ってしまうあたりが、ちょっとワルぶったガキと見えないこともないが、それでも物語の主人公がゆえに、キャラクター設定となって本人の魅力を高めてしまう。

この手のハードボイルドものは、自省の台詞がつきもので、これによってタフな男がちこっと内面的な弱さを露呈して人間的魅力を高めるものだが、これまたお約束どおりに台詞がありました。

わたしの人生には”かもしれない”が多すぎる。あまりにも多すぎて、ほとので意味を失いかけている。そろそろ商売がえをしたほうがいいということかもしれない。

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