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コージーミステリーを読み耽る愉しみ その10 カップケーキ探偵 (ジェン・マキンリー著) 

2019年11月04日 | パルプ小説を愉しむ
コーヒーやクッキーなど、女性が主人公のコージーミステリーに欠かせない職業として飲食業があるが、今回の主人公の職業はカップケーキ屋だ。アリゾナ州スコッツデールで人気のカップケーキを経営しているメルとアンジーは小学校時代から大の仲良し。ここにこれまた学校時代からの仲良しの男、テイトが一人加わるのだが、決して恋が発展するわけではない。三人揃って懐かしの名画を観ることが彼らが大好きな週末の夜の過ごし方。だが、テイトの婚約者が殺され、現場にはメルが作ったカップケーキが落ちていた。死因は毒殺だった。自分が逮捕される前に真相を突き止めようとメルは事件究明の乗り出す。女性二人もいれば恋愛話が出来ない訳がなく、それぞれに心に想う人を抱えながら、ライバルのカップケーキ屋の嫌がらせに対応しつつ、早く結婚させようとやきもきする母親のお節介を上手くかわしながら、いろいろなところに顔を突っ込みだす。

男女の仲良し三人組のみならず、母親や刑事をしている叔父、妹に必要以上の干渉をすることが義務と考えいる共同経営者アンジーの兄たち、それぞれがキャラクター豊かに物語を紡いでくれている。が、肝心のミステリーは置いてきぼりぎみ。最後になって犯人が判明するのだが、普通は感じるはずの解決時の安心感ややれやれ感がまったくないままに小説が終わってしまった。殺された被害者の性格の悪さも十分に読者には刷り込まれ、犯人の動機も十分ではあるにも拘わらず、あっけなく終わってしまっている。読んでいるうちに、気づいたら終わっていた、そんな読後感がある消化不良のミステリーでした。

メルは彼女をハグすべきなのか首を絞めるべきなのか分からなかった。

わたしはどう見てもグラスの中身は半分しかないどころか、だれかが床に落として割ったと思っちゃうような立場だけど。
グラスに半分あると見るか、半分しかないと見るか、というのが定番の心理分析だが、普通の悲観主義者の先を行っている究極の悲観論者のものの見方がこれなのでしょう。

コーヒーにお砂糖は?きみみたいなすてきな(スイート)な人には必要ないかな?
ちょっとキザで歯が浮きそうなセリフです。

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