何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

組織行動の「まずい!! 」学

2007-07-10 22:53:29 | くすり雑感
『組織行動の「まずい!!」学――どうして失敗が繰り返されるのか』 樋口晴彦・著、祥伝社新書、2006年。

 日々業務に追われている現場では、「このままでは納期に間に合わない」「人繰りがつなかくてマニュアル通りの人員配置ができない」といったトラブルがつきものだ。そのような時、当座の方便として、「ほんの少しくらいは構わないだろう」と安全基準を超過したり、安全対策の一部を無視したりする誘惑に駆られるのは無理もない。

 もともと作業規則の中には、安全面への配慮が十分すぎるほど盛り込まれているものだ。特に危険物を取り扱うような職場では、多重防護という発想から安全対策が重層的に施されている。たとえ対策の一つや二つが機能しなくても、別の安全装置によって安全が担保されるシステムである。したがって、少しばかりの規則違反を犯したところで、すぐに事故が発生するよいうわけではない。

 問題は、この手抜き状態がすぐに「日常」として定着してしまうことだ。そうしているうちに、第2の安全規則違反が行われ、それが新たな「日常」となる。そして、いずれ第3の規則違反が・・・・・・。かくして安全対策は時間の経過とともに少しずる磨耗し、最後は中身が虚と化してしまうのである。 (以上、p.81~2)


 調剤エラーが起こる原因の主要な部分を述べているように思えた。
 調剤(計数、計量)をしていても、最終鑑査があるからという甘え、気の緩みもつい起こしてしまう。もし違っていたら、そこで指摘してくれるだろう、と頼ってしまう。その“少しくらい”が危ない。

 もちろん大半の調剤においては、正確に調剤が行われ、問題なく交付される。しかし緩んだ状態のままでは、一部に間違いが発生する。それを生み出す土壌からは、ある一定の確率でエラーが生産されてしまう。

 調剤事故・調剤過誤において、こういった連鎖的な確認もれが生じてしまうのは、その結果がどういうことに結びつくのかといった危険性の認識が欠けていることもあろう。また認識があるのなら、わかっていてもそれを手抜きさせてしまう別の動機が入り込んでいるからかもしれない。

 安全確保を手薄にさせる動機、安全を高めようとしない動機、安全が維持できにくい理由、いったいそれはどこからくるのか 


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