何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

失敗学の法則

2007-09-14 21:18:09 | Book Reviews
決定版 失敗学の法則』 畑村洋太郎・著、文春文庫、2005年6月。

 技術者の傲慢の裏には、過去の成功例に関して、「それがなぜ失敗だったのか」を考えず、成功方法を踏襲すれば間違いないと考えてしまう、ものの考え方についての根本的な誤りがあります。つまり、「これまでまっすぐ進んで成功しているわけだから、今後もこのまままっすぐでいい」と思いこむのです。巨大橋建設に当てはめれば、「この設計方法でA橋という巨大橋は成功した。同じ設計方法で、もうひとまわり大きなB橋を架けることができるはずだ」と考える。しかし、いま架かっているA橋が設計・建造されるまでにはさまざまな失敗があり、一見まっすぐ進んできたように見えても、注意深く見れば過去の失敗を学ばずに、成功例の設計指針ばかりに頼って設計を進めると、橋が崩落するのです。 (p.211-2)


 ある成功とは、たまたま金鉱を掘り当てたのではなく、輝き脚光を浴びるまでに紆余曲折を経ていることを忘れてはならない、ということか。

 確かに、いいことは認めても、「どうしてこんなものがついているのか」とか、「こういった仕組みにはならないのか」と思うことがある。しかし、それはやはり必要があってそうなっていることを学ぶべきなのだろう。その意味を知ることで、開発の苦労も、素晴らしさも余計に理解することができる。

 新しいソフトを導入したり、外付けの考え方を取り入れるときもそうだろう。そこに置けばほとんど解決したも「同じ」ではない。それが動くにはさまざまな条件があり、大きな効果を生むのに必要な環境や考え方があるからだろう。そういったものがなく、それさえ備えればただちに収益をもたらしてくれると考えているとしたら、大きな誤解だ。

 外から持ってきたくなるのは、内を育てていないからだろう。内への投資が不十分か育て方に問題があることはないか。また速効性を求めるからだろうか。

 体質が出来てこそ、持続的に成長が望めるのであって、その時々さえしのげればよいのは自転車操業的であり、その考え方を払拭することからスタートしないといつまでたっても変わらないのかもしれない 
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