何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

レバレッジ・リーディング

2007-09-10 13:35:57 | Book Reviews
『レバレッジ・リーディング』 本田直之・著、東洋経済新報社・発行、2006年12月。

 今年読んだ本の中では3本の指に入る。「レバレッジ」という意味、カタカナ語でこれまで馴染みがなく、とっつきにくい感じがしていたのだが、うれしい誤算だった。

 著者は年間400冊ほどの「多読」をするという。1日平均1冊以上だが、そこには遠く及ばないまでも、年間100冊程度を読んでいれば、どうやったら多読がそこだけで終わらないか、「たまたま自分はこうしているが」という思い(ときに不安)が、自分だけではないことがわかり、それでいいんだという支えを与えられて安心した。

 自分ができないのは、その本が価値がないと思ったらその段階でそれ以上、読み進めないことである。貧乏性なのか、せっかく買った本だから、少しでも何かがそこにないかと思ったり、もったいないとか、後半に何か出てくるのではないか、などと惰性でページをめくっていってしまう。
 確かに、前半は凡庸でも、後半やラストに光る一節があったりした本もある。それを捨ててしまうのは惜しい気がする。その場合は、斜め読みでざぁーっと最後まで読んでいる始末だ。

 それと「本への書き込み」。この本は大切な本だから、いつまでも手元に置いておきたいと思えた場合だけ、書き込みをしてきた。そうでない本は、場合によっては売ってしまおうと思うから、書き込みを遠慮していたりもした。古書として販売することを考えながら読むなんて、考えてみればヘンだ。その本をいかに自分の血肉に還元するか・できるかが重要だ。だから本書は読書は自己投資だと言うのだ。

 全くその通りで、売ってもいくらの儲けにもならない。それよりも、自分を拡げてその後に役立てた方が、はるかに有意義だ。ちょっとケチだったか。昔、線など引きながら読んでも頭になぞ入らない、だからラインマーカーなど引かないでどんどん読み進めなさい、という読書法のノウハウがあったような覚えがある。しかしそれに反し、ときに線を引いていた。

 それが後からどのくらい役立ったのかと言われると、さほどでもなく、指摘の通りなのかもしれないが、それがあったおかげで読み返したときに必要な部分にたどり着けるマーキングにもなった。

 著者は風呂場で、ゆっくりと朝風呂しながら読書をされるようだが、その生活スタイルはどうも自分には合わない。本書は朝風呂の効用を説くものではないが、自分にあった読書時間が日々の生活の中に確保されていることは重要だ。

 著者は図書費に年間100万ほどかけているようであるが、さすがに今の自分にはできない。無理に追いつくことが目標ではないが、「レバレッジ」が眼目だから、本の内容を取り込んで生活に仕事に活かすことがどこまでできるかが、これからの課題だ 

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