昨今、顧客満足が大きなキーワードであることは間違いないと思う。『医療現場の顧客満足と業務改善』(日本リスク・マネジメント協会・編、同友館)では、それをとっくりと説明しており、多々共感するところが多かったのだが、1点、腑に落ちない個所があった。
「医療機関は、患者や家族が満足するかどうか、地域社会と調和するかどうかによって来院患者の数が左右されるという考え方を基本として活動すれば、必ず医療従事者の満足につながるはずである」(127ページ)
「医療従事者が患者本位の活動を行えば、その結果として患者や家族が満足することに喜びを感じ、この行為によって医療機関の経営の安定と向上に寄与し、結果として医療従事者の待遇改善、適正人員の配置、勤務態制の改善などにつながる。すなわち、患者や家族の満足を得る活動を行うことが医療従事者の満足に結びつくという原則をしっかりと理解すべきである」(127~128ページ)
なんと、ESは、CSの結果だというのだ。CSの結果、ESが得られるという順序である。ややや、へんだぞ、そんなふうには思えないのだが・・・。
「医療スタッフが自分の職場や仕事に対して満足し「職員満足度」が高くならなければ、顧客が満足するようなサービス品質をつくりだすことはできないのです。」(『実践 患者満足度』、前田泉・著、日本評論社、91~92ページ、2005年)
「リッツ・カールトン・ホテルには、「従業員は内部顧客である」という考え方が企業哲学(クレド)のなかにあり、(中略)従業員教育の基本的考え方は、「お客様を心からおもてなしをし、満足をしていただくためには、従業員自身が心から満足していなければならない」というポリシーに貫かれています。」(同、93ページ)
スタッフが組織によって満足のいく環境や施策を受けて、安定した状態があるからこそ、顧客にも満足のいくサービスが提供できるのであって、ESなくしてCSなし、というほうが、十分納得のいく。
前掲書は、職員は組織が潤ってこそ、その報いとして職員満足が得られるという順序を明確にしており、組織が潤わなければ職員満足は与えられない、まず組織が利益を上げなければいけない、と言わんばかりだ。
それでは利益を上げるために顧客満足が必要であり、顧客満足が利益の手段化しているようではないか。
しかし、前掲書の最も素晴らしいのは、「「顧客満足は医療機関が存続していくために必要な手段・方法ではなく、医療機関が存続し社会に貢献していくための基本的理念でなければならない」(86ページ)と述べているところであって、どうか矛盾を感じる。
ひょっとしたら、ESとCSの部分は、考察不十分で書かれたのかもしれないが
「医療機関は、患者や家族が満足するかどうか、地域社会と調和するかどうかによって来院患者の数が左右されるという考え方を基本として活動すれば、必ず医療従事者の満足につながるはずである」(127ページ)
「医療従事者が患者本位の活動を行えば、その結果として患者や家族が満足することに喜びを感じ、この行為によって医療機関の経営の安定と向上に寄与し、結果として医療従事者の待遇改善、適正人員の配置、勤務態制の改善などにつながる。すなわち、患者や家族の満足を得る活動を行うことが医療従事者の満足に結びつくという原則をしっかりと理解すべきである」(127~128ページ)
なんと、ESは、CSの結果だというのだ。CSの結果、ESが得られるという順序である。ややや、へんだぞ、そんなふうには思えないのだが・・・。
「医療スタッフが自分の職場や仕事に対して満足し「職員満足度」が高くならなければ、顧客が満足するようなサービス品質をつくりだすことはできないのです。」(『実践 患者満足度』、前田泉・著、日本評論社、91~92ページ、2005年)
「リッツ・カールトン・ホテルには、「従業員は内部顧客である」という考え方が企業哲学(クレド)のなかにあり、(中略)従業員教育の基本的考え方は、「お客様を心からおもてなしをし、満足をしていただくためには、従業員自身が心から満足していなければならない」というポリシーに貫かれています。」(同、93ページ)
スタッフが組織によって満足のいく環境や施策を受けて、安定した状態があるからこそ、顧客にも満足のいくサービスが提供できるのであって、ESなくしてCSなし、というほうが、十分納得のいく。
前掲書は、職員は組織が潤ってこそ、その報いとして職員満足が得られるという順序を明確にしており、組織が潤わなければ職員満足は与えられない、まず組織が利益を上げなければいけない、と言わんばかりだ。
それでは利益を上げるために顧客満足が必要であり、顧客満足が利益の手段化しているようではないか。
しかし、前掲書の最も素晴らしいのは、「「顧客満足は医療機関が存続していくために必要な手段・方法ではなく、医療機関が存続し社会に貢献していくための基本的理念でなければならない」(86ページ)と述べているところであって、どうか矛盾を感じる。
ひょっとしたら、ESとCSの部分は、考察不十分で書かれたのかもしれないが