新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

ヒカゲツツジ:日陰躑躅(はかなげな色で日陰に咲く)

2009-04-12 06:49:59 | 植物観察1日1題
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ヒカゲツツジ:日陰躑躅(ツツジ科ツツジ属)は、山地の渓谷に面した崖や岩場の斜面などあまり日のあたらないところに生えるのでこの名がある常緑低木です。庭木や盆栽にも良く使われていて、必ずしも日陰でなくても良く育つようです。
花期は4~5月、ツツジの仲間では早咲きの部類に属し、枝先に淡黄色の花を2~5個づつつけます。
生育地の環境からサワテラシ(沢照らし)の別名もあります。

センペルセコイア:和名セコイヤメスギ(世界一ののっぽ樹)

2009-04-11 06:28:25 | 植物観察1日1題

世界一高い木は、110.3mもあるセンペルセコイア、和名セコイヤメスギ(スギ科セコイア属)だそうです。アメリカ・カリフォルニア州クレセントシティ、レッドウッド国立公園にありジャイアントレッドウッド(ロックフェラーツリー)と名付けられています。
神戸市立森林植物園の最も高い木もやはりこの樹高約45mとされるセンペルセコイアでした。
北米西部原産の常緑針葉高木で、樹皮は赤褐色で厚く、細長く縦に裂けます。
センペルセコイアは学名の種小名と属名を日本名に訳し、それをあわせて用いたもので、また別名のセコイアメスギは、セコイアオスギに対し、その葉が優しいのから名付けられたといいます。
メスギの名は、雄株、雌株の区別ではなく、種類が異なっているのです。

シロバナホトケノザ:白花仏の座(けなげに咲いたが)

2009-04-10 06:59:00 | 植物観察1日1題

近所を歩いていると、道路のコンクリートの隙間から生え出た、白い花のホトケノザ:仏の座(シソ科オドリコソウ属)が見つかりました。
ホトケノザの花は本来濃い紅紫色ですが、(3月10日記事)これはシラコまたはアルピノ型といわれるものと思われます。
後ろに写っている普通のホトケノザは茎の色が濃い茶色ですが、この白花ホトケノザの茎は浅緑で、全体に色素が欠乏していることが分かります。
アルピノは、花の色素3大グループ、カロチン、アントシアンとならぶフラボン類が、植物の体の中で作られるとき、その道筋のいちばん入り口のところが、何かの原因でふさがってしまい、そこから先へ進めなくなることによって生じると考えられています。このような植物はふつう紫外線や病気、害虫に弱く、また昆虫による受粉の機会にも恵まれないので、一代限りで終わってしまう可能性がつよく、自然界ではなかなか見当たらないのはそのためといわれています。
厳しい場所に咲いたこの白花、来年も生えるかどうか難しいところですが、忘れずに観察することにしましょう。

モモ:桃(霊力ある桃)

2009-04-09 06:07:52 | 植物観察1日1題

税金対策なのか、家の近所にある半ば放置された畑に、数本の桃(バラ科サクラ属)が今年も
華やかな花をつけています。
中国で古来桃には霊力があるとされ、桃源郷、西遊記の蟠桃園などの説話を生み、日本でも古事記にイザナギが、イザナミに会いに黄泉の国へ行った帰り、追ってきた悪霊を桃の実を投げて逃れる話があるほか、桃太郎伝説、桃の節句など桃の力を信じる話が多数残ります。
「春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ娘子 」万葉集19‐4139
30歳代の大伴家持は、越中守として赴任先の現高岡市の館で桃の花を詠いました。
桃の花の下に出立った乙女は、ほっぺの赤い雪国の娘だったのか、あるいは離れてきた明日香の里の雅びな娘をイメージしたのか、いずれにしても青年家持の明るい青春賛歌として今に愛唱される名歌です。


ニワウメ:庭梅(古代は色褪せの色?)

2009-04-08 06:53:44 | 植物観察1日1題

庭園にニワウメ:庭梅(バラ科サクラ属)が咲いています。中国原産で日本には古くから日本に渡来しています。高さ1.5m内外の落葉低木で、多く分枝します。
和名は、庭に植え、梅のような花をつけることからいい、コウメ(小梅)の別名もあります。
花は春、葉より早くまたは同時に開き、径13mmくらい、淡紅色から白色の5弁で、枝いっぱいにつきます。写真は改良種なのか少し紅色が強いようです。
7月暗赤色に熟し生で食べられます。また核は郁李子といい漢方薬になります。
万葉集四-0657の「思もはじと言ひてしものをはねず色のうつろひやすき我が心かも」の
“はねず(朱華)”はこのニワウメではないかといわれていて、はねず色は白色を帯びた紅色とされています。はねず色に染められた布は色褪せし易かったようです。

ルッコラ:ロケット菜(惚れ薬とはいうものの)

2009-04-07 06:59:27 | 植物観察1日1題

ルッコラ(アブラナ科キバナスズシロ属)が、巴形にねじれたようなクリーム色の十字花をつけています。
ゴマのような風味と辛味があり、成長とともに苦味が強くなります。
最近イタリア料理の普及により香味野菜として使われることが多くなり、英名のロケット(菜)よりも、イタリア名に由来するルッコラのほうが知名度があるようです。
惚れ薬としての薬効があるしてローマ帝国時代から栽培されてきたという話がありますが、いまさら確かめようもありません。

スズメノヤリ:雀の槍(よくできた見立て)

2009-04-06 06:12:42 | 植物観察1日1題

花が球状に集まった花穂を、大名行列の毛槍に見立ててこの名があります。
日当たりのよい草地などに普通に見られる多年草で、覚えやすい名のせいで、よく知られている雑草といえます。
3~4月茎の先に黒っぽい花穂が普通1個つき、基部に葉のような苞があります。
白い雌しべが先にのび、そのあと黄色の雄しべが伸びてきます。
スズメノヒエの別名もあります。

ケヤキ:欅(花も実もあります)

2009-04-05 07:41:46 | 植物観察1日1題

ケヤキ:欅(ニレ科ケヤキ属)が薄黄色の新枝と新芽を出しています。
よく見ると、新葉の葉腋毎に蕾をつけています。ケヤキは雌雄同株で、葉の展開と同時に花をつけ、雄花は新枝の下部(基部)に数個ずつ固まってつき、雌花は上部の葉腋に普通1個、まれには3個ほどつきます。
秋果実が成熟すると、枯葉がついたままの小枝ごとに落ち、枯葉をプロペラにして風に乗って種子散布を行います。
こんもりした樹冠が美しく、公園や街路樹におなじみの木ですが、この目立たない花と果実は一般にはあまり知られていないようです。

クロキ:黒木(黒い木肌に白い花)

2009-04-04 08:48:52 | 植物観察1日1題

万博公園の一角にクロキ:黒木(ハイノキ科ハイノキ属)が花をつけています。
暖地の海岸近くに生える常緑高木で、高さは6~7mときには12mにもなります。
樹皮は名前の由来でもある黒色で、若枝には稜があります。
3~4月、葉のつけ根に白い小さな花が集まってつきます。花冠は直径8mmほど、5浅裂し、多数ある雄しべは花冠より長くよく目立ちます。

コノテガシワ:児の手柏(雌花の形のまま球果に)

2009-04-03 07:24:57 | 植物観察1日1題

枝や葉が子供が手を合わせて立っている姿に見えるところからこの名があるコノテガシワ:児の手柏(ヒノキ科コノテガシワ属またはクロベ属)ですが、万葉集―3836に“奈良山の児手柏の両面(ふたおもて)に かにもかくにも佞人(ねじけびと)の徒(とも)” があり、現代は裏表のない人を善人としますから、昔とは意味が逆になります。
そんなことから万葉の歌のは今のコノテガシワではなく、コナラ、カシワの若葉か、トチノキだという異説があります。
中国原産で、庭木として栽培される常緑低木ないし小高木です。雌雄同株で、花はともに単生し
3~4月枝先に付きます。雌花は淡紅色の鱗片の間から徳利状の胚珠をのぞかせ、雄花は葉の先につきます。初夏のころ粉をふいたような白緑色でよくめだつ球果をつけます。(07年7月22日記事)

リキュウバイ:利休梅(関西だけの名?)

2009-04-02 08:02:22 | 植物観察1日1題

庭でリキュウバイ:利休梅(バラ科ヤナギザクラ属)が白い花を咲かせています。
中国中部原産で、日本には明治末期に入り、庭木、切花として栽培される、高さ2~4mになる落葉低木です。
4~5月新梢に長い総状花序を頂生し、径3~4cmの白花が6~10個上向きに咲きます。
花弁は5個で先は丸く、花の姿は梅に似ます。我が家のリキュウバイは、長年の鉢植えで樹勢が弱く、写真のように花付きはいまひとつでした。
果は長さ1cmの卵形で、5つの稜があります。
昔から利休梅と覚えこんでいましたが、植物園などではリキュウバイの名はなくて、バイカシモツケ:梅花下野、うめざきうつぎ:梅咲空木、マルバヤナギザクラ:丸葉柳桜などで表示されています。調べてみると牧野図鑑に“関西では利休梅という”とありました

キャラボク:伽羅木(立派な名前ですが)

2009-04-01 08:30:27 | 植物観察1日1題

キャラボク:伽羅木(イチイ科イチイ属)は、イチイの変種で本州の日本海側に多く、中でも天然記念物になっている大山山頂付近の群落は有名です。
葉がらせん状に密生する常緑の低木で庭木や生垣にも用いられます。
伽羅は梵語の多伽羅の略で最高の香木とされ、転じて善いものをほめていう言葉となっていますが、この木の和名の伽羅木は、木の材を、香料をとるトウダイグサ科の伽羅樹に見立てたものといわれ、ことさら香りがよいということではなさそうです。
今の時期葉の腋に小さい花をつけています。雌雄異株、写真は雄花で淡黄色、雌花は緑色の鱗片に包まれた胚珠が1個あります。