新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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テンダイウヤク:天台烏薬(誤れる伝説の木)

2009-04-18 20:11:37 | 植物観察1日1題

木そのものより、それにまつわる話のほうがよく知られているのがテンダイウヤク:天台烏薬(クスノキ科クロモジ属)です。
秦の始皇帝が不老不死の薬をもとめ、徐福を東の海に派遣したところ台風に遭遇し、紀洲新宮に流れ着きました。徐福はその後中国に帰ることなく新宮で一生を終わりましたが、彼が不老不死の妙薬テンダイウヤクを日本に伝えたという伝説があります
しかし秦の時代は日本では文字も記録もない弥生時代にあたり、徐福が日本に来た確かな証拠はありません。まつわる話だけが一人歩きしている例です。
中国原産で、享保年間(1716~1735)に日本へ伝来し、本州近畿以南九州などに野生化した常緑低木。根が長い塊状をした木質で、これを烏薬といって薬用にします。和名は中国天台山に産する烏薬の意です。単にウヤクとも呼ばれます。
葉はほぼ円形~広い楔形で、革質で光沢があり、3脈が目立ちます。雌雄異株で、早春葉脇に黄色の小さい花が集まってつきます。