新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

モモ:桃(霊力ある桃)

2009-04-09 06:07:52 | 植物観察1日1題

税金対策なのか、家の近所にある半ば放置された畑に、数本の桃(バラ科サクラ属)が今年も
華やかな花をつけています。
中国で古来桃には霊力があるとされ、桃源郷、西遊記の蟠桃園などの説話を生み、日本でも古事記にイザナギが、イザナミに会いに黄泉の国へ行った帰り、追ってきた悪霊を桃の実を投げて逃れる話があるほか、桃太郎伝説、桃の節句など桃の力を信じる話が多数残ります。
「春の園紅にほふ桃の花下照る道に出で立つ娘子 」万葉集19‐4139
30歳代の大伴家持は、越中守として赴任先の現高岡市の館で桃の花を詠いました。
桃の花の下に出立った乙女は、ほっぺの赤い雪国の娘だったのか、あるいは離れてきた明日香の里の雅びな娘をイメージしたのか、いずれにしても青年家持の明るい青春賛歌として今に愛唱される名歌です。