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※- 2016年貿易収支・6年ぶりに黒字 2017年01月25日
1月25日、NHK website -: 輸出から輸入を差し引いた去年1年間の日本の貿易収支は、原油価格が下落した影響で原油やLNG=液化天然ガスなどの輸入額が大幅に減少したため、4兆741億円の黒字となり、6年ぶりに黒字となりました。
財務省が発表した貿易統計によりますと、去年1年間の輸出額は、韓国や台湾向けの鉄鋼製品が減ったことや、外国為替市場で円高ドル安が進んだ影響で、ドル建ての輸出額が円換算で減少したことなどから、おととしより7.4%減って70兆392億円となり4年ぶりに減少しました。
また、輸入額は、原油価格の下落の影響で、原油やLNG=液化天然ガスなどの輸入額が減少したため、おととしより15.9%減って65兆9651億円となり、2年連続で減少しました。
この結果、輸出から輸入を差し引いた去年1年間の貿易収支は4兆741億円の黒字となりました。
これまで日本の貿易収支は、日本企業の生産拠点の海外移転が進んだことなどで輸出額が伸びにくくなる一方、東日本大震災や円安の影響で原油などの輸入額が増加したため赤字が続いていましたが、6年ぶりの黒字となりました。
また、合わせて発表された去年12月の貿易収支は、中国向けの輸出額が自動車部品を中心に伸びて過去最高となったことなどから、6414億円の黒字となり、4か月連続の黒字となりました。
対米黒字は2年ぶりに縮小
アメリカのトランプ大統領は、日本や中国に対する貿易赤字が大きいことを問題視していますが、財務省が25日発表した貿易統計によりますと、去年1年間の日本のアメリカに対する貿易収支は、6兆8347億円の黒字となり、2年ぶりに縮小しました。
財務省が発表した貿易統計によりますと、去年1年間の日本からアメリカへの輸出額は、鉄鋼製品や電子部品が減ったことなどから14兆1431億円となり、おととしに比べて7.1%減って5年ぶりに減少しました。
輸出額のうち自動車が4兆4115億円と31%余りを占め、品目では最も大きくなっています。
また、アメリカからの輸入額は、小麦などの穀物類が減ったことなどから7兆3084億円となり、おととしに比べて9.3%下回りました。
この結果、輸出から輸入を差し引いたアメリカとの貿易収支は6兆8347億円の黒字となりました。
貿易黒字の額は、おととしを4.6%下回り、2年ぶりに減少しましたが、国別でみると、アメリカが最も高くなっています。
アメリカに対する貿易収支は、比較可能な1979年の統計以降、黒字が続いており、1980年代には日本から自動車や半導体などの輸出が伸びて、1985年には黒字額が9兆3000億円余りに達しました。
アメリカでは、日本への厳しい批判が起こり、「日米貿易摩擦」に発展しました。
日本が自動車や鉄鋼の輸出を自主規制し、アメリカでの現地生産を進めたことなどから、黒字額はいったん縮小に向かいました。
その後、黒字額は、2009年のリーマンショックの影響で3兆円台まで減りましたが、アメリカ経済の回復などに伴って、このところ自動車や機械の輸出が伸び、黒字額も増加が続いていました。
このほか、去年1年間の日本の中国に対する貿易収支は、4兆6531億円の赤字となり6年ぶりに縮小しましたが、貿易赤字の額は国別でみると、最も高くなっています。
また、日本のEU=ヨーロッパ連合に対する貿易収支は、1540億円の赤字で5年連続の赤字でした。
アメリカの貿易赤字の推移
アメリカの貿易収支は1980年代に徐々に赤字幅が拡大し、1984年に初めて1000億ドルを超えました。
当時、日本からの自動車や半導体などの輸入が伸びていて、1991年にはアメリカの貿易赤字に占める対日赤字の割合が58%余りに達しました。
対日赤字の割合は、日米の通商交渉を経てその後、縮小していきましたが、代わって拡大したのが中国に対する貿易赤字です。
アメリカの中国に対する貿易赤字は2000年には838億ドル余りとなり、初めて対日貿易赤字の額を上回りました。
それ以降も中国からは電子部品や家電、雑貨や衣類など幅広い分野で輸入が増加し、対中国の貿易赤字が占める割合は2012年以降、40%を超える水準が続いています。
おととしは(2015年)7625億ドル余りのアメリカの貿易赤字のうち、対中国の赤字が3671億7300万ドルと、全体の48%を占めるまでになっています。
また、アメリカの貿易赤字で中国に次いで多いのがドイツで、全体の10%を占めているほか、日本に対する赤字は9%、そしてNAFTA=北米自由貿易協定に加盟するメキシコに対しても8%の赤字となっていて、この4か国でアメリカの貿易赤字のおよそ75%を占めています
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