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※- 『3.11・東日本大震災』海外でも追悼 2016年03月11日
≪ バチカンの大聖堂で被災地の復興を祈るコンサート ≫
『3.11・東日本大震災』 から 5年になるのに合わせて、バチカンのサンパオロ大聖堂で、被災地の高校生や日本とイタリアの音楽家などが参加したコンサートが行われ、犠牲者を追悼するとともに被災地の復興を祈りました。
このコンサートは被災地に祈りを届けようと毎年開かれているもので、10日夜、バチカンの4大聖堂の一つサンパオロ大聖堂で行われたコンサートには、およそ500人の市民が集まりました。
コンサートでは、当時仙台市内で被災した仙台白百合学園高校1年の菅原明音さんが招待されて、バイオリンのソロ演奏を披露し、緊張しながらも美しい旋律を聖堂内いっぱいに響かせると、集まった人たちから惜しみない拍手が送られていました。
そして1分間の黙とうのあと、日本とイタリア両国の声楽家など150人がモーツァルト作曲のレクイエムを合唱し、犠牲者を追悼するとともに被災地の復興を祈る気持ちを届けていました。
コンサートに訪れた人たちは「感動的な演奏でした」とか「よりよい方向で復興していくことを心から願っています」などと話していました。
また、バイオリンを演奏した菅原さんは「震災で亡くなられた方々、心に傷を負っている人に祈りをささげられるように演奏しました。笑顔を取り戻して未来へ進んでいけるように音楽などの活動を通して力になっていきたいです」と話していました
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≪ 福島・相馬の子どもオーケストラ:ベルリン・フィルと共演 ≫
『3.11・東日本大震災』 から 5年になるのに合わせて、福島県相馬市の「相馬子どもオーケストラ」がドイツを訪れ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団などとの共演を披露しました。
福島県相馬市の「相馬子どもオーケストラ」は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が、震災後に開いたチャリティーコンサートの収益などを基に設立されました。
小学生から高校生までの37人のメンバーは、10日、ベルリン・フィルのホールで支援への感謝の気持ちを表す演奏会を開き、世界最高峰とも言われるベルリン・フィルの楽団員などとともに、ベートーベンの交響曲第5番「運命」を披露しました。
子どもオーケストラとベルリン・フィルの楽団員たちが顔を合わせたのは本番の前日でしたが、ぴったりと息の合った音楽を奏でていました。
演奏会では、続いて、子どもオーケストラが地元の民謡「相馬盆唄」を披露し、和太鼓とも調和させた演奏が終わると聴衆から盛んな拍手が送られていました。
子どもオーケストラのメンバーは、今月13日までベルリンと東部の都市ライプチヒで演奏会を開くことにしています
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≪ 東日本大震災からの復興願いコンサート:ベルギー ≫
東日本大震災から 5年に合わせて、ベルギーのブリュッセルでは、被災地の復興を願って、日本人バイオリニストら世界的な音楽家によるクラシックコンサートが開かれました。
これは、ベルギー在住の世界的なバイオリニストの堀米ゆず子さん が中心となって、ベルギーのブリュッセルで震災直後から毎年開いているもので、今回で6回目を迎えました。
11日夜に行われたコンサートには、ピアニストのマルタ・アルゲリッチさん やチェロ奏者のミッシャ・マイスキーさん など、ヨーロッパを拠点に世界で活躍する音楽家も参加し、震災の犠牲者の鎮魂と復興への願いを込めて演奏しました。
コンサートを率いてきた堀米さんは、たびたび東北の被災地を訪れ、各地でチャリティーコンサートを開くなど活動を続けています。
演奏後、堀米さんは「ことばはなくても音楽は直接通じ合う力を持っています。被災者の皆さんの心に寄り添っていきたいです」と話していました。
観客のベルギー人の女性は「震災の記憶を失わないための大切なイベントでした。被災した方には前を向いて歩いていってほしいです」と話していました。
コンサートの収益は、被災地にピアノを届ける活動や、宮城県仙台市で行われるクラシック音楽のフェスティバルの支援などに充てられるということです
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