Soulful Bigover

「自由」と「ロマン」を求めて、creativeなアウトドアライフをめざす。

偽物

2011年08月10日 | (E=mc2)
司馬遼太郎 著の『この国のかたち(1~6)』(文藝春秋社発行)を読み、
自分の ”Soul” を紐解く


(E=mc2)

ー 4 ー


「3.”雑貨屋”の帝国主義」より
(本文要約)
筆者は、日本史の中の死に体の期間として、日露戦争勝利~太平洋戦争敗戦までの40年間を、
「日本の近代」と定義付ける。
当時日本は、ロシア帝国主義による侵略の脅威にあった。
日本はその侵略阻止・防衛のために、にわか仕込みの巨大な海軍を作る。
そして日露開戦、奇跡的な勝利を収める。

戦後、この巨大化した海軍を縮小すればよかった。
しかし、ロシアの逆襲を怖れた日本は、それが出来なかった。

本来大海軍というものは、帝国主義国家に存在するものである。
スペインやイギリスなどは、世界各地に植民地を作っていた。
そこで法外な貿易を行ない暴利を貪るのが帝国主義、その事が国家の発展につながっていた。
その為の大海軍であったのだ。

しかし、当時日本は植民地を持っていなかった。
日露戦争後、かろうじて朝鮮を無理矢理併合し、帝国主義国家のかたちをとったに過ぎなかった。
その上、日本には売る物もなかった。
売った物と言えば輸入タオルや日本酒、その他日用品程度の物で、まさに「”雑貨屋”の帝国主義」であったのだ。

当然、大海軍には維持するだけで大きな経費が掛かる。
しかしながらロシアを怖れ、また面子を保とうとする軍部は、これを解体出来ない。
道理の通らない軍、行き詰まった参謀本部は、”統帥権”という超憲法的思想を編み出して、これを駆使し始める。
そしてロシアにまぐれで勝利し、調子の狂ってしまった国民に乗じて暴走する。
やがて中国に謀略的侵攻を計り、泥沼の日中戦争~太平洋戦争と突入していくのである。

このちゃちな40年間のニセ帝国主義のおかげで、日本は国家そのものが滅んで行くのである。

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世界の列強と肩を並べたかった日本。
歴史的な背景/教養/理念を持つまでに、維新よりあまりに時間が少なかった。
身の丈に合わぬ国家を目指し背伸びし過ぎた日本人は、結果的に自ら身を滅ぼしてしまった。

現在の世界は、これに似ているような気がする。
果して今の私たちは、なにが作れる?そして何が出来るの?


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