Soulful Bigover

「自由」と「ロマン」を求めて、creativeなアウトドアライフをめざす。

継続していく事のむずかしさ

2006年10月06日 | essay
写真の二足の山靴、大きい方の僕のものは20数年、小さい方のかみさんのものは10年ほど経つ。
これまでオイルを塗ったり、樹脂部分を自らメンテしたりして大事に履いてきた。
でも経年劣化には勝てず、この夏二足同時にソールが痛んでしまった。

これらをなじみの山道具屋に持ち込み、ソールの張り替えを依頼した。
修繕は二週間ほどで出来あがり、無事我が家に戻ってきた。
ソールを張り替えただけで、新しい靴に生まれ変わったようで、なんだかとてもうれしい気分になった。

僕は命にも関わる山道具は、信頼できるお店でしか購入しない。
なじみのショップは、今回のようにいつもきちんと対応してくれる。
また、僕の期待に応える商品を情報とともに販売してくれる。

そんな信頼していたショップが、先月(9月末)で閉店してしまった。
閉店は経営者の方の事情で、致し方のないことのようだ。
残念であるが、しかたがない。

しかしながら、我が家にとってアウトドア活動はライフワークの中心的存在で、このプロショップは活動の一端を担ってくれていた。
それがなくなる事は、単に不便になると言う事だけでは済まない。

これまで僕たちはここで山道具を購入すると同時に、店主の山に対する理念も享受してきた。
また、この地で13年間蓄積されたコミニュティの存在や店主のアウトドアに対する情熱や念いも、閉店によって失うことになる。
これはこの湖東域でアウトドアに関わる者、またこれから行おうとする者にとって大きな損失である。

本来文化というものは、こうした核となるものが存在してこそ育まれるものである。
僕は開店当初よりおつき合いさせて頂いて、このショップがそういう存在であると認識していた。

プロショップという拠点がなくなった今、僕たちはこれまでと違った空気の中でアウトドアを行う事になる。
すべてを自らが考え、計画し行動する。
そして己の自己判断と責任でバックカントリーに出向き、経験を積み重ねていかなければならない。
と同時にその事を次の世代に伝えることも、残された僕たちに課せられた。
アウトドア活動がライフワークの中にある者は、今後そうした「心づもり」が必要であると思う。

それ以上にむずかしいのは、モチベーションの維持である。
実はこのアウトドアに出向くモチベーションも、いままでショップからもらっていたのだ。
そのことを、僕たちは覚えておかねばならない。

これまでこんなにお世話になったショップに対し、僕たちが恩返しできる事とは?
それは、これまでの自分のアウトドア活動を継続し、さらに発展させていく事であろう。
謙虚な心で自然と対峙し、その上で自らを律する意識を持つ。
そして、山に向かう自分をこれまで以上に創造していくということ。
ショップの閉店に伴い、そんな事をいま改めて思う。

最後に『ORCA ADVENTURE CLUB』さんへ

この地から山に向かう者が絶えない限り、ORCAが残した『いぶき』は足跡となってずっと生き続けるでしょう。

僕は山に向かいます。
リソールされた古くて新しい山靴で、また次の一歩を踏み出す。
さらなる「自由」を得るために・・・

13年間、本当に有り難うございました。
いずれまた、山での再会いたしましょう。
そして、楽しい山談義に花を咲かせましょう。

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2 コメント

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Unknown (yu-k)
2006-10-18 21:37:40
はじめまして。(実はお会いしたことあります・・・)

先週、念願の燕岳に行ってきました。

私は半年ほど前にORCAで出会いがあり、それから山に行くこととなりました。

燕岳に行くことを目標に掲げ半年。

やっと山のすばらしさがわかるような山行でした。

その帰り、ORCAでの出会いにとても感謝し、ORCAと出会わなければ山に行くこともなかっただろうなあと思うと、とても感慨深くなりました。



またお会いすることがあるかもしれませんが、その時はどうぞよろしくお願いします。







Unknown (bigover)
2006-10-19 14:26:26
秋晴れの燕、良かったですね。

僕も、初めての北アルプスが燕岳でした。



そのとき受けた鮮烈な感動を、今でもよく覚えています。

ORCAの閉店は、いろんな意味で大変残念です。

特に人と人との繋がりが途切れてしまうこと。

でもyu-kさんとはこれを機会に情報交換出来たらいいですよね。

せっかくの出会いですから、これからもよろしく。

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