Soulful Bigover

「自由」と「ロマン」を求めて、creativeなアウトドアライフをめざす。

冬山

2006年01月23日 | Mountain winter
今シーズン初の雪山山行である。
山スキーで赤坂山に、カミさんと二人で目指した。
今年は積雪量も豊富で、この山へスキーで行くのに良いチャンスだと思った。

22日の朝、ガリガリのマキノ高原スキー場第二ゲレンデより登高開始。
最初の尾根はつぼ足で登り、標高600m当たりからシール登高する。
この辺りには10センチほどの新雪があり、上部での滑りに期待が膨らむ。
幻想的な雪のブナ林を快適に進む。

そして、11時ごろ氷化した乾いた主稜線に出る。
稜線の西斜面は、3~5mの巨大雪庇の崩落が多く見られる。
ブロックデブリや無惨な地肌の露出が、冬山に来ている緊迫感をかき立てる。

ここからが、本日の山行本番。
期待していた新雪は、すべて風で吹き飛ばされている。
風紋のあるガリガリ斜面をちょっと滑り、鞍部でスキーをはずす。
そこからスキーを引きずって登り返し、また滑る。

こんなことを何度か繰り返して、先にある赤坂山を目指して尾根を進む。
粟柄越からの登りは少々ばて気味。
それでも、一踏ん張りして1時ごろ二人揃って登頂する。



ピークでは、雲が湧く空ではあるが遠望も利く。
これまでの疲れも癒される。
登山や山スキーのパーティも数組見える。
マロンパンとココアは今回のお楽しみである。
これをおいしく頂いて、いよいよピークよりドロップアウト。

このスロープも固いバーンで豪快な滑りとは行かなかった。
それでも、この広い斜面を気持ちよく滑る。

そのあとは、送電線沿いの狭い尾根をスキーでじりじり降りる。
未熟者の我々には、むつかしい下降が続く。
おまけに天気も急激に悪化、寒気とともに降雪~吹雪となり視界を遮る。
柔らかくなった雪に助けられ、転ばないようにして滑り降りる。
一時間ほど下って、なんとかデンジャーゾーンを抜ける。
そして、520mの東屋に入り休息をとった。

あとは樹林の尾根をマキノ高原目指して降りるだけ。
しかしこの尾根、意外にルートファインディングが難しい。
先行トレースも、何度か修正しながら下降していた。

尾根に入ってから、ボーゲンでずっと下ってきた。
足腰に負荷が懸かりっぱなしで、全身の筋肉が悲鳴を上げる。
踏ん張りが利かず転ぶこともあり、さらに体力を消耗する。

スキー場が見えるところまで帰って来たときには、正直「たすかった」と思った。
最後は雷が鳴る中、緩いゲレンデを漕いで駐車場まで滑り込む。
朝会ったマキノ高原管理のおじさんと無事下山の挨拶を交わし、今日の「赤坂山」山行は終わった。

「楽しい山スキー」だけでない、厳しい雪山からの「安堵の帰還」。
この山行は、まさに「冬山」山行であった。
比較的お手頃と言われる赤坂山であるが、気象条件や山行スタイルで厳しい山となる。
決して甘く見ては行けない。
帰路の車中で冷えきった体が疲れと筋肉の痛みを訴える。
そのことが、今日の山行の厳しさを物語っていた。

己の教訓としても、とても印象的な山行となった。

記録
 山域・目的 赤坂山(滋賀県高島市) 山スキー
 日程    2006/1/22
 メンバー  カミさんと二人
 行程    1/22 晴~吹雪 (行動行程 9時間)
   4:30  自宅発 → 彦根IC → マキノ高原 
   6:30  マキノ高原スキー場より入山(160m)
        ・固い雪の尾根をつぼ足で
   9:00  562m
        ・新雪のある美しい尾根をシール登高
  11:00  主稜線(850m)
        ・アイスバーンの稜線、意外に雪が少ない(所々笹原が露出)
        ・登り返しが多く、スキーを使った登山という感じ
  13:00  赤坂山(823m)
        ・展望のよいピーク、琵琶湖と若狭湾が美しい
  13:30  滑降開始(~天候悪化)
        ・ピーク直下の広い大きな斜面は、雪質によっては最高だろう。
        ・送電線沿いの尾根は、スキーでは危険箇所多い
        ・堰堤越えはつぼ足で通過
  14:30  東屋(520m)
        ・積雪で道標がすべて埋まり、降り口がわかりにくい
        ・傾斜は緩いが、ひたすらボーゲンで樹林を縫うように滑降する
  15:30  マキノ高原下山(160m)
  16:00  マキノ高原 → 帰宅