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言の葉

2008.11.28 開設
2022.07.01 移設
sonnet wrote.

久しぶりの帰省

2023年12月05日 | ノンジャンル
11月24日〜29日、久しぶりに帰省した。
夫の実家に一泊して、翌日二人で私の実家へ。
この時期に帰省することは滅多になく、晩秋の風景が懐かしかった。
95歳の母はまだ一人暮らしをしている。
裏手に長兄夫婦の家があり、義姉のサポートがあればこそのことである。
その日はデイサービスに行っているということで、墓参りをした後、施設を見がてら面会に行ってみた。
朝9時に迎えの車が来て、入浴、昼食、椅子に座っての体操、レクレーションなどして午後4時に帰宅するそうで、週2回のそれを楽しみにしていると言う。
服用している薬は一切なく、いろんな検査でも異常はないとのこと。
夜具の支度で2階に上がると、「私にしかわからん」と言いながら階段を上がってくる。
「危ないから下にいて」ときつめに言うと、用事がある時はいつも上がっていると平気な顔で言う。
義姉はそんな行動をハラハラして困ると言い、母は「筍掘りも、柿採りも、栗拾いも危ないと言って行かせてくれない」とつまらなそうである。
だが、会話をすると同じことを何度も繰り返し言ったり、辻褄の合わないことを言ったりする。
そう言えば、久しぶりに私を見ての第一声は「あら、F美」と叔母(母の妹)の名前だった。
 
夫は日帰りで延岡、宮崎へ。私は一泊した。
夜、近所に住む同級生の友達宅にお邪魔して再会した。
翌日はもう一人の同級生と会い、2021年に建てられた役場新庁舎を案内してもらった。
あいにく日曜日で図書館だけが開いていた。
道の駅青雲橋に送ってもらい、そこで友人と別れた。
 
午後は、義姉が車で延岡駅まで送ってくれた。
当日メールしたにもかかわらず、高校時代の友人二人が会ってくれることになり、駅ビル内のスターバックスで1時間ほどお喋りした。
話題は高校時代のこと、そして最近の体調である。
無断でお二人をアップ。マスクしているのでお許しあれ
 
人生の四季を青春、朱夏、白秋、玄冬で例えられるが、それぞれの季節の区切りは何歳だろう?
古稀を過ぎた我々は、秋過ぎて冬に入っているのだろうか?
2010年の投稿でも書いた三好達治の詩「汝の薪をはこべ」を再度アップしよう。
あの時は確かに人生の秋だった。
 
汝の薪をはこべ   三好達治

春逝き
夏去り
今は秋 その秋の

はやく半ばを過ぎたるかな
耳かたむけよ
耳かたむけよ
近づくものの声はあり

窓に帳帷(とばり)はとざすとも
訪なふ客の声はあり
落葉の上を歩みくる冬の跫音(あしおと)

薪をはこべ
ああ汝
汝の薪をはこべ

今は秋 その秋の
一日(ひとひ)去りまた一日去る林にいたり
賢くも汝の薪をとりいれよ

ああ汝 汝の薪をとりいれよ
冬近し かなた
遠き地平を見はるかせ
いまはや冬の日はまぢかに逼(せま)れり

やがて雪ふらむ
汝の国に雪ふらむ
きびしき冬の日のためには
炉をきれ 竈(かまど)をきづけ
孤独なる 孤独なる 汝の住居(すまい)を用意せよ

薪をはこべ
ああ汝
汝の薪をはこべ

日はなほしばし野の末に
ものの花さくいまは秋
その秋の林にいたり
汝の薪をとりいれよ
ああ汝 汝の冬の用意をせよ