goo blog サービス終了のお知らせ 

言の葉

2008.11.28 開設
2022.07.01 移設
sonnet wrote.

障子を張る 貼る

2023年12月06日 | ノンジャンル
夫の実家で障子張りをした。
サッシ窓の内側にあるのだが、経年劣化で紙も弱くなるのだろう。
ましてや前回も素人の私が張ったものである。
張り加減が悪いのか、桟のヘリ辺りが集中して破損している。
傷んでいる段だけを張り替えようかとも思ったが、あちこちに分散している。
いっそ丸ごとやった方が早いかもしれない…。
どちらにしても面倒だなぁ…。
迷いを吹っ切るため、無傷の部分数カ所にパンチを入れて豪快に破いた。
 
障子の張り替えは、張る作業よりこれまでの古い紙を剥がすことの方が大変である。
熱いお湯に布巾を浸し、ゆるく絞って桟の糊を丁寧に拭き取っていく。
今は一面を一気に張れる大判の障子紙があるが、実家に在庫であったのは昔ながらの二段分の巻紙タイプである。これを使い切らなければ!
幼い頃、年の瀬に祖母を手伝ったことを思い出す。
祖母は、冷やご飯をお粥状に煮溶かして糊を作っていた。
障子紙は下の段から張らないといけない。なぜか?と聞かれたことを憶えている。
上からやっていくと、紙を重ねた部分が上を向く。万一めくれた時にそこに埃がたまる。だから重なりが下向きになるよう、下の段から張っていくのだそうだ。
 
多少たるみのある仕上がりになったが、目をつむろう。
敷居に戻すと隣の障子の黄ばみが気になったが、目をつむろう。
 
布巾で湿った障子の桟が乾くまで、別の障子の補修をした。
こちらは小さな破れなので、部分的に貼ればいい。
桜の花と雲は数年前に帰省した時に貼ったもので、今回は斜めに破れている部分に翼を広げた鳥を切り絵にして貼った。
その下の小さな破れは遠景の山のつもりで貼った。
ところがその後、下の段の桟のヘリに亀裂を見つけた。
桜の花が舞っているなら桜並木だということで、カッターで切り絵を作り貼り付けた。
遠景の山の存在がおかしくなるが、目をつむろう。
離れた所にも小さな亀裂があり、そこはバンクシーを模して風船にした。
 
無駄に凝ってしまい、夕方ようやく終了した。
折しも陽が傾き、障子窓の向こう側に来た。
夕日に雲がかかるアングルで再撮影してみた。