
12月1日、北の丸公園の東京国立近代美術館で開催されていた「棟方志功展」に行った。
6月末に行ったマティス展で告知のチラシを見つけ、これは絶対行かねば!と8月にネットでチケットを購入する。
これまで何点かは観ていたが、生誕120年を記念して各美術館所蔵や個人蔵の作品が一堂に集結。滅多にないチャンスで、10月6日からの開催に心躍らせていた。
しかし、体調不良やら雑用やら帰省などでなかなか行けず、最終日の12月3日が迫り、平日としては最後の1日(金)にようやく行けた。
大小の板画(棟方は版画ではなく板画と称している)はもちろん、最初に目指していた油絵、自ら命名した倭画(やまとが)、装丁本など有に100点を超える作品が並び圧巻!
圧倒され、興奮しっぱなしで眩暈を起こしそうになった。

マティス展もそうだったが、「撮影禁止」の貼り紙があるものを除いて撮影することができた。嬉しい限りである。
私はできるだけ正面から作品を撮ることしか念頭になかったが、後で夫が「これ、どう?」と上の写真を見せてくれた。
「キリスト十二使徒」の前で撮影している人たちを入れ込んでいる。
なるほど、その手もあったか! 会場内の静かなる興奮の様子。
偶然か、それとも狙ったのか(失礼!
)、モノクロ写真のようでスマホの画面だけが青く光って効果的。

ということで、夫の画像を一枚使わせてもらう。
私は「釈迦十大弟子」を2点ずつ撮った(二菩薩を割愛して切り貼り加工)




板木いっぱいに掘られた人物のポーズがどれも絶妙である。
川上澄生の「初夏(はつなつ)の風」を見て版画に目覚めたという棟方。
川上の作風に似た初期の作品も数点あった。
私も棟方と同じくらい川上澄生の版画が好きで、とりわけ「初夏の風」は大好きで、以前ブログにも書いている(2012.6.7「はつなつの風」)。
「わだばゴッホになる」とは、青森弁で「私はゴッホになる」という意味である。
その思いで勇躍上京。帝展入選を目指すが落選が続く。
数年後油絵で初入選するも、版画の道に定める。
「大印度の向日葵」は、まさにゴッホの「ひまわり」のオマージュ。

棟方志功は極度の近眼で、板木ぎりぎりに顔を寄せて一心不乱に彫る様が有名。
愛用の眼鏡や彫刻刀、板木なども展示されていた。
装丁を手がけた書籍も多数あり、そのデザインや色使いはどれもが素晴らしく、板画家というだけでなくグラフィックデザイナーでもある。

11月に帰省した時、夫の実家の本棚で「板極道」を見つけた。
昔、夫が大量の書籍の置き場に困って実家に送ったものの一冊である。
若い時読んだと思うが完全に忘れている。
展覧会に行く前に読み返そうと思い、持ち帰った。
だが読みさしで志功展に行った。続きを読まなければ。
入場する時もらった展示リストには「 会期中一部展示替えがあります。」とあった。
私が撮影した画像も相当数ある。
このブログ上でも時々画像を替えてみようか・・・


