お 飫肥杉植えた金右ヱ門 (おびすぎうえた きんえもん)
日南市の中心地区飫肥(おび)は、古くは飫肥藩伊東氏5万1000石の城下町だった。
今日でも江戸時代の武家屋敷が数多く保存され、重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けている武家屋敷は、山口県の萩市に次ぐ規模である。
「九州の小京都」と呼ばれ、また明治の外交官小村寿太郎の出身地としても知られ、以前から県内有数の観光地だったが、2004年秋のNHK連続ドラマ「わかば」の舞台となり、さらに脚光を浴びて多くの観光客が訪れている。
宮崎県は杉の生産量日本一を誇っているが、とりわけこの地域の「飫肥杉」は上質な建材として有名。
南国特有の高温多湿の気候と肥沃な土壌に育ち、樹脂分が多く粘りがあり、水に強く腐りにくいため、曲げ加工して造船材としても利用されてきた。
他の杉より赤みが多いのが見た目の特徴である。
飫肥林業の歴史は古く、当時窮乏していた藩の財政を立て直すため、1623年頃から植林を行ったのが始まりと言われている。
かるたに詠まれている野中金右ヱ門は、18世紀後半に植林事業を精力的に行った藩士で、杉の安定的な育成に貢献した。
飫肥城の大手門は飫肥杉を使用し、釘を一切使用せず作られている。
現代ひむかかるたの『お』で、飫肥の町が詠まれている。
http://www.miyazaki-c.ed.jp/himukagaku/karuta/o/index.html