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言の葉

2008.11.28 開設
2022.07.01 移設
sonnet wrote.

散歩をやめて映画鑑賞

2022年08月07日 | 懐かしの映画
先日午後、薄曇りで気温も高くないので散歩に行こうと思った途端に遠雷が鳴りだした。
ひと雨来そうな気配がしたので出かけるのをやめ、映画を見ることにした。
 
最高の人生の見つけ方」は2007年の作品。
ジャック・ニコルソンモーガン・フリーマンの共演で、公開当時気になってはいたが見ていなかった。
M・フリーマン演じるカーターは自動車整備工場に勤めている。
歴史学の教授になりたかったが学生結婚し、子どもができて中退した。
博識でTVのクイズ番組を見て答えるのが趣味。
ガンと診断され入院する。
J・ニコルソン演じるエドワードは、一代で10億ドルを稼いだ大富豪の実業家。
買収した病院で吐血して入院し、カーターと相部屋になる。
「病院はホテルではないので1室2床というのがあなたの方針。個室はありません」と秘書に言われる。
この秘書もユニークなキャラクターをしている。
エドワードに「君が私の立場ならどうする?」と聞かれ、
「全財産を秘書に残します」と答えていた。
 
原題は「THE  BUCKET  LIST(バケットリスト)」である。
バケットは日本語のバケツだが、英語に「kick  the  bucket」という慣用句があり、「バケツを蹴る」は「死ぬ」「亡くなる」の意味があるらしい。
語源まで調べると、自殺する人間がバケツを逆さにして立ち、それを蹴るということらしい。
この映画の公開以来、バケットリストは「死ぬまでにやっておきたいことのリスト」として定着したとか。
 
・荘厳な景色を見る
・見ず知らずの人に親切にする
・泣くほど笑う
・マスタングの運転 
  ・・・
余命わずかと知ったカーターが書いたメモを見て、エドワードが書き足す。
・スカイダイビングをする
・タトゥーを入れる
・世界一の美女にキスをする 
 
カーター「世界一の美女に? どうやって?」
エドワード「数をこなす」
こうして余命半年の二人は秘書を伴い、エドワードのプライベートジェット機で世界をまわる。
トップの画像は、サーキットを借り切ってマスタングを疾走させるシーンを拝借した。
 ピラミッドを見に行ったシーンでのカーターのセリフが印象に残っている。
「古代エジプト人の言い伝えで、死ぬと天国の扉の前で神に2つの質問をされるそうだ。その答えによって入れるかどうか決まる。
ひとつは、人生に喜びを見つけたか?
もうひとつは、他者に喜びを与えたか?」
 
  
そういえば、エドワードが機内で読んでいた書物の装丁が和風で気になり、一時停止して確認した。
「THE WAYS OF THE SAMURAI」とあった。「武士道」か。
検索すると「葉隠れ」を著した山本常朝のものだった。
新渡戸稲造の「武士道」もあるが、そちらは「Bushido : The Soul of Japan」の英語タイトルになっている。
ともあれ、死を目前にした人物が読もうと思った一冊という設定になっている。
もう一冊、術後の病室でも何やら読んでいたのを思い出し、巻き戻して確認した。
「バルタサール・グラシアンの賢者の知恵」だった。スペインの哲学書らしい。
どちらも知らずもちろん読んでいないが、ちょっと興味はある。

男と女 3作

2021年09月17日 | 懐かしの映画
洋画・邦画を録画してDVDに焼いたものが結構あり、それを整理しながら久しぶりに観たくなったものをいくつか観た。

■男と女(1966)
『男と女』は1966年のフランス映画である。
当時はハリウッド映画よりフランス映画やイタリア映画の方が勢いがあったと思う。
すぐに『俺たちに明日はない』『卒業』(ともに1967年)などに始まるアメリカン・ニュー・シネマに取って代わられるが。
アヌーク・エーメジャン=ルイ・トランティニャンがカッコいい大人のカップルを演じ、フランシス・レイ作曲のスキャットもよかった。
見終えて、二人の子どもの寄宿学校があるドーヴィルに、Googleマップで行ってみた。
海岸には出られなかった。

■男と女 Ⅱ(1986)
ネットであれこれ見ていたら、「あれから53年。監督、音楽、キャストが再結集。」というサイトを見つけた。
夫がGEOに行く時、「『男と女』の50年後の映画があるので借りてきて」とお願いした。
借りてきた『男と女Ⅱ』を見始めて、すぐにあれ?と思った。
50年後にしては若い。ストーリーもPVで見たのとは違っているような…。
そう思いながら観終えて、ネットで調べてみると、1986年に20年後の二人ということで『Ⅱ』が製作されたそれだった。
全く知らなかった。
これははっきり言って期待はずれだった。と言うより残念、がっかりした。
1作目でスクリプターをしていたアンヌ(アヌーク・エーメ)は映画プロデューサーになっていて、ジャン・ルイ(トランティニャン)は現役のレーシング・ドライバー。
二人は別れているが、娘と息子は寄宿学校の同級生として交流があるという距離感。
アンヌは映画の興行成績が悪く、次作に自分たちの出会いを映画にしたいとジャン・ルイに頼み、彼も渋々承知する。
演じるのは女優になっているアンヌの娘という、なんとも荒っぽいプロットである。
結局その映画はやめることになるが、それにしたって…と思う。
個人的な感想であるが、柳の下の二匹目のドジョウどころか、そんなストーリーは元の柳の木も傷めやしないか?
しかしながら、50代の二人は変わらずカッコよかった。

■男と女 人生最良の日々(2019)
夫がDVD返却に行く時、「副題に『人生最良の日々』と付いた2019年のがあるので、次はそれを」と頼んだ。
「だったら同じ棚に並んでいそうだけど、見かけなかったなぁ」
そう言っていたが借りてきた。
クロード・ルルーシュ監督のインタビューも収録されてあった。
まさにサイトにあった「あれから53年。監督、音楽、キャストが再結集。」という感じだった。

アンヌは映画プロデユーサーをやめ、生活雑貨店を開いている。
娘は女優ではなく、馬がメインの獣医になって娘がいる。
ジャン・ルイは介護施設に入居して、過去の記憶が抜け落ちたり戻ったりしている。
アンヌとの記憶が鮮明なので、彼の息子がアンヌを訪ねて会ってくれるよう頼む。
主役の二人の娘と息子は、50年ぶりに会って寄宿学校時代の童謡を口ずさんだりする。
このように、パートⅡの物語はなかったものとしていた。それでいい。 
ともに90歳近い年齢の二人。
アヌーク・エーメは相変わらずきれいで、トランティニャンはダンディだった。
彼の映画でロミー・シュナイダーと共演した『離愁(1973)は、これまで観た映画で最も切ないラストシーンかもしれない。

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映画に関する記事をアップするようになって、記事カテゴリに「映画」を追加したが、こんなラインアップでは「古い映画」か「懐かしの映画」にした方がいいかもしれない。
また、先日息子が帰宅した時、「まだGEOでDVDを借りてるの?そんなに頻繁に借りるなら動画配信を契約した方が安いよ。」と言われた。
以前からそう思ってはいたが、いくつかあるどれを選んだらいいのかがわからないままでいる。

スパイ・ゲーム

2021年05月30日 | 懐かしの映画
ブラッド・ピットの映画を初めて見たのは『リバー・ランズ・スルー・イット(1992)だった。
フライフィッシングの美しさが印象に残っている。
当時はロバート・レッドフォードの方が有名で、「彼が監督をし、ハリウッド二枚目俳優の後継者としてブラッド・ピットを起用した」という映画の宣伝文句があったと記憶している。
正直レッドフォードのような甘いマスクは苦手で、『明日に向かって撃て(1969)『スティング(1973)ポール・ニューマンの方が好きだった。
ただ『追憶(1973)』『華麗なるギャツビー(1974)の彼はハマり役だと思う。

ブラッド・ピットが日本で「ブラピ〜」と呼ばれるようになったのはいつ頃、どの映画からだっただろう?
ことさらファンということはなく、それでも映画館こそ行かないがDVD化されれば結構見ていると思う。
そう言えば『オーシャンズ11(2001)では、前述のマット・デイモンアンディ・ガルシアらと共演している。

だが、『スパイゲーム(2001)を見て大好きになった。
主演はレッドフォードで、ファンも代表作として挙げないかもしれないが、私はブラピの映画ではこれが一番好きだ。
お互い身分を隠していた恋人と言い争うシーンで、一気にファンになった。

物語の時間軸は、ミュアー(レッドフォード)がCIAを定年退職する日の早朝から翌朝までの出来事である。
これに、かつて諜報活動の基礎から教え、ともに行動していたビショップ(ブラピ)とのエピソードが加わる。
CIA香港支局の友人から電話で起こされ、ビショップが中国に逮捕されたことを知らされる。
ミュアーの冷徹非情な仕事のやり方について行けず、ビショップが訣別を告げて数年経っている。
CIAは米中関係の親密化を優先し、ビショップを見殺しにしようとする。

上の拝借したシーンは、ミュアーの誕生日にビショップが携帯用ウイスキーボトルをプレゼントするところ。
「嬉しいね。こんなのベイルートにあったのか?」
「ロンドンから取り寄せたんだ。ディナー作戦っていう裏ルートで」
他にも伏線となるセリフがいくつもある。
「老後の為に貯金しておくこと。その金には絶対手をつけるな」
「お前が勝手に動いて捕まっても、私は助けに行かない」
「ルールに従わなければ、お前を見捨てる」
それらがラストで一気に回収される。
アメリカのCIA本部にいるミュアー。中国の蘇州刑務所に拘束されているビショップ。
果たして救えるか?


4本を見た後に消去したかというと、やっぱり惜しくなった。
それぞれの録画をCMカットで編集し、トータル2時間ほど容量を戻したに過ぎない。
完全版ではないので、DVDにダビングするほどでもない。

それにしても、と思う。
映画の公開年を記しながら、どれも数十年前、最も古いのは50年前だった。
隔世の感あり。

ジェイソン・ボーン

2021年05月27日 | 懐かしの映画

マット・デイモンは大好きな俳優である。
最初に見た『グッド・ウィル・ハンティング(1997)での数学の天才役や、『レインメーカー(1997)の弁護士(志望)役などから知的な若者といったイメージだった。
実際、映画を始めたので中退したが、ハーバード大学に入っている。
『グッド・ウィル・ハンティング』では、親友ベン・アフレック『アルマゲドン(1998)での娘の恋人)とともにアカデミー脚本賞を獲っている。
『プライベート・ライアン(1998)も生真面目な一等兵役だった。

なので、アクション満載のボーンシリーズは意外な感じがした。
しかし、CIAの暗殺者というハードボイルドに、記憶を失っているという設定が加わることによって、孤独や不安や懊悩で哀愁を漂わせ、まさに適役だった!
『ボーン・アイデンティティー(2002)』『ボーン・スプレマシー(2004)』『ボーン・アルティメイタム(2007)』『ジェイソン・ボーン(2016)すべて見ている。
『ボーン・レガシー(2012)はスピンオフ作品らしく、彼も出ていないので見ていない。
(後日追記:気になったので観た。面白かった。)

CIA長官役のトミー・リー・ジョーンズと。
画像を思いきり暗めに加工したが、彼の横顔は誤魔化せない

ボーンシリーズでどれが好きかと言われたら、物語が繋がっているのでなんとも言えないが。『ボーン・スプレマシー』のラストシーンがなかなかよかった。
CIA内で唯一の味方といえる女性捜査官のジョアン・アレンに電話し、切り際にボーンが言ったひと言。
「少し休んだ方がいい。疲れた顔をしている。」
思わず高層ビルの部屋の窓から、向かいのビルを見る彼女。Wow.


アクション映画をまとめて見る

2021年05月23日 | 懐かしの映画
アクション映画を立て続けに見た。
ビデオデッキにしょっちゅう『HDDの残時間が少なくなっています。』という表示があり、そのたびにどれかを消去しなければならない。
洋画劇場の録画がいくつもあり、CMが入って完全版ではないので、それらが消去候補である。
どれもノーカット版を何度となく見ているが、消す前にもう一度見ようと思い、結局「アンタッチャブル」「ザ・ロック」「ジェイソン・ボーン」「スパイゲーム」をしっかり見てしまった。

『アンタッチャブル(1987)は、昨秋ショーン・コネリーが亡くなった時も追悼の思いでDVDをレンタルして見ている。
『007』の時はそう思わなかったが、後年になって味が出てきたと思う。
かと言って、歴代ジェームス・ボンド役はというと、やはり彼だろう。
元祖は強い。
この映画はエリオット・ネス役のケビン・コスナー、体重を増やし、生え際の毛髪を抜いてアル・カポネ役を演じたロバート・デ・ニーロもよかったが、ヒラの警察官役ショーン・コネリーが秀逸だった。
彼はこの役でアカデミー助演男優賞を獲っている。
「法の番人の心得。勤務が終わったら生きて家に帰ることだ。」
夜回りの橋の上で、ネスにかけた言葉である。
故和田誠氏の映画名言集「お楽しみはこれからだ」に、これは載ってないだろうか?

ワンシーンをアップするのはちょっと後ろめたいが…
初仕事成功の記念写真にしたいところ、顔がはっきりしているので、せめて夜の逆光シーンを。


    
ネタバレになるとまずいが(とはいえ、詳細なストーリーを紹介しているサイトはたくさんある)、後半の駅のシーンは、モンタージュ理論で有名な『戦艦ポチョムキン(エイゼンシュタイン)』階段シーンのオマージュとなっている。
ここでは『ブラックレイン(1989)マイケル・ダグラスのバディ役をしたアンディ・ガルシアがよかった。
ついでに『戦艦ポチョムキン(1925)の撮影地であるウクライナの「オデッサの階段」もGoogleマップから拝借

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『ザ・ロック(1996)と呼ばれるアルカトラズ島は、かつて刑務所で、現在は観光地になっている。
戦地で部隊を見捨てられ、部下を失い、遺族への補償もしない政府に怒る海兵隊の准将を演じるのはエド・ハリス
同士を率いて神経ガスミサイルを奪い、アルカトラズ島で観光客を人質に立てこもる。

FBIの化学兵器のスペシャリストであるニコラス・ケイジが呼ばれ、もう一人協力を依頼されたのがショーン・コネリーである。
元イギリスの特殊部隊にいて、アメリカの機密情報を奪って捕まり、身分も国籍も消され、記録もないまま長年幽閉されている。
唯一アルカトラズ刑務所からの脱獄に成功した経験があり、建物の構造に精通している。
ジェームス・ボンドのキャラそのままの囚人と、やむなく島に行くことになった実戦経験のない研究者のコンビがテロリストに立ち向かう…。
参考にウィキペディアを見たら、「あらすじ」のラストの記述が間違っていた。
もっとカッコよくコミカルなエンディングになっている。

改めて確認すると『アンタッチャブル』は1987年作、『ザ・ロック』は1996年作。
ともに四半世紀前の古い映画になっている。
長くなったので、あと2作は後日に。