スティーヴン・ハンター著『ソフト・ターゲット 上・下』扶桑社ミステリー 2012.12.10 第一刷 各800円+tax
オススメ度 ★★★☆☆
ボブリー・スワガー・シリーズかと思いきやさにあらず、主人公はレイ・クルーズという元海兵隊のアジア系スナイパー。本人がボブを父と呼ぶくだりで「あれ・ボブに息子なんていたか知らん?」と思う読者は本編の前作『デッド・ゼロ』を読んでいないせい。
かく言う僕も読んでいない。が、ボブの愛子ニッキはジャーナリストとして本編に登場する。
ま、とにかく前作を読まなくとも、ボブ・リーが何者か知らずとも読めばそれなりに理解できるストーリー展開となっている。
アメリカのミネソタ州ミネアポリスの近郊にある巨大ショッピングモール“アメリカ・ザ・モール”はクリスマス商戦の最中で多くの客で混雑していた。
そんな中、突然サンタクロースの頭蓋が銃撃によってふっ飛ばされたのを合図に十数人のテロリストが銃を乱射し始めたのだ。テロリスト達はアラブ風のスカーフを巻いたソマリア人であった。
ショッピングを楽しんでいた客たちは銃火から追われてモールの中央部アミューズメント広場に集められた。人質となった人数は約一千名。果たしてテロリストたちの要求は何なのであろうか。
この場にたまたま居合わせていた歴戦の戦士である元海兵隊スナイパー、レイ・クルーズは瞬時に身を隠し、たった一人で反撃のチャンスを伺うのであった。
一方、本件の事案を担当したのはミネソタ州警察本部長ダグラス・オボボというアフリカ系黒人であったが、次期FBI長官の座を狙う野心満々の男であった。
テロリスト集団の首魁と思われる男からオボボに連絡があり、現在服役中のソマリア人3兄弟の釈放を交換条件に千人の人質が解放される取引が成立したのであったが・・・・・
仔細を書くとネタバレになってしまうのだが、本編で語られる“血に飢えた殺戮者”“ゲーム感覚で殺戮を楽しむ”異常者の存在は決して架空の存在とは思われない。
最近の米国における“銃乱射事件”の多発を見ると、実際に他人を無差別に殺戮することに快感を覚えるモンスター的人間が存在するであろうことは確かだ。そんなモンスターが実行しようとする究極の殺人ゲームが本編の内容だ。
米国における銃規制、それも供給側の問題(カラシニコフ等の自動小銃までもが安易に入手出来る)が今一度問われる話題作。
今や老境に入ったボブ・リー・スワガーの活躍はもう見られないのだろうか?巻末の訳者あとがきによれば来年には再び復活する可能性が述べられているのだが・・・・
オススメ度 ★★★☆☆
ボブリー・スワガー・シリーズかと思いきやさにあらず、主人公はレイ・クルーズという元海兵隊のアジア系スナイパー。本人がボブを父と呼ぶくだりで「あれ・ボブに息子なんていたか知らん?」と思う読者は本編の前作『デッド・ゼロ』を読んでいないせい。
かく言う僕も読んでいない。が、ボブの愛子ニッキはジャーナリストとして本編に登場する。
ま、とにかく前作を読まなくとも、ボブ・リーが何者か知らずとも読めばそれなりに理解できるストーリー展開となっている。
アメリカのミネソタ州ミネアポリスの近郊にある巨大ショッピングモール“アメリカ・ザ・モール”はクリスマス商戦の最中で多くの客で混雑していた。
そんな中、突然サンタクロースの頭蓋が銃撃によってふっ飛ばされたのを合図に十数人のテロリストが銃を乱射し始めたのだ。テロリスト達はアラブ風のスカーフを巻いたソマリア人であった。
ショッピングを楽しんでいた客たちは銃火から追われてモールの中央部アミューズメント広場に集められた。人質となった人数は約一千名。果たしてテロリストたちの要求は何なのであろうか。
この場にたまたま居合わせていた歴戦の戦士である元海兵隊スナイパー、レイ・クルーズは瞬時に身を隠し、たった一人で反撃のチャンスを伺うのであった。
一方、本件の事案を担当したのはミネソタ州警察本部長ダグラス・オボボというアフリカ系黒人であったが、次期FBI長官の座を狙う野心満々の男であった。
テロリスト集団の首魁と思われる男からオボボに連絡があり、現在服役中のソマリア人3兄弟の釈放を交換条件に千人の人質が解放される取引が成立したのであったが・・・・・
仔細を書くとネタバレになってしまうのだが、本編で語られる“血に飢えた殺戮者”“ゲーム感覚で殺戮を楽しむ”異常者の存在は決して架空の存在とは思われない。
最近の米国における“銃乱射事件”の多発を見ると、実際に他人を無差別に殺戮することに快感を覚えるモンスター的人間が存在するであろうことは確かだ。そんなモンスターが実行しようとする究極の殺人ゲームが本編の内容だ。
米国における銃規制、それも供給側の問題(カラシニコフ等の自動小銃までもが安易に入手出来る)が今一度問われる話題作。
今や老境に入ったボブ・リー・スワガーの活躍はもう見られないのだろうか?巻末の訳者あとがきによれば来年には再び復活する可能性が述べられているのだが・・・・
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