
グレン・ミード著『すべてが罠(上下)』[原題:Web of Deceit] 二見文庫 2005.11.25 初版 733円+tax
オススメ度:★★★☆☆
NY近郊のロングアイランドの自宅でジェニファーは嵐の夜にふとめを覚ます。
枕元には全身黒ずくめで目だし帽をかぶった男が立っていた。手には血塗られたナイフが。
あやうくレイプされかけたジェニファーはからくも逃げ出すのであったが、この夜彼女の母親は惨殺され、弟は銃弾を撃ち込まれ瀕死の重傷を負った。
この夜を境にヨーロッパへ出張した父親は行方不明となった。
こんな衝撃的なシーンからこの物語は始まる。
心身ともに傷ついたジェニファーはその後なんとか立ち直り、大学の法科を卒業し現在は弁護士になっていた。しかし、銃弾を浴びた弟はかろうじて一命はとりとめたものの脊髄にダメージを受け、言語能力も奪われ車椅子生活を強いられていた。
二年経ったある日、彼女の元に父親らしき男性の死体がアルプスの山中の氷河で発見された、という知らせが入った。
幼馴染でなにくれとなく相談に乗ってもらえる仲であるNY警察の刑事マーク・ライアンは同行を申し出たが彼女に拒まれた。
そんなマークにCIAを名乗るケルソーという男が接近し、ジェニファーの後を追え、それも彼女に知らせずに、という指示を与えた。
事情は明らかにされなかったものの、マークは彼女の安否が心配でその申し入れに乗った。
かくして舞台はスイスとイタリアの国境にまたがる氷河へと移るのだが、ここでジェニファーを待ち受けていたのは謎の暗殺者による襲撃と、想像すらしなかった事実が明らかとなる。
だが謎はさらに謎をよび、彼女には一体何を、誰を信じてよいのか皆目見当のつかない事態に陥る。
果たしてジェニファーは、そして幼馴染のマークは事件の真相を突き止めることが出来るのであろうか!
といったストーリー。
確かに国際的な謀略サスペンスとして一定の水準にあり面白いのだが、なんか重みがないというか心から楽しめない。
ひとつは主人公であるジェニファーに対し今一つ共感できないことと、最大の不満は失踪した彼女の父親に関するくだり。
書くとネタバレになってしまい明らかに出来ないのであるが、父親のディテールを描かなければどうにも納得できない内容となっている。それで★3つになってしまった。
オススメ度:★★★☆☆
NY近郊のロングアイランドの自宅でジェニファーは嵐の夜にふとめを覚ます。
枕元には全身黒ずくめで目だし帽をかぶった男が立っていた。手には血塗られたナイフが。
あやうくレイプされかけたジェニファーはからくも逃げ出すのであったが、この夜彼女の母親は惨殺され、弟は銃弾を撃ち込まれ瀕死の重傷を負った。
この夜を境にヨーロッパへ出張した父親は行方不明となった。
こんな衝撃的なシーンからこの物語は始まる。
心身ともに傷ついたジェニファーはその後なんとか立ち直り、大学の法科を卒業し現在は弁護士になっていた。しかし、銃弾を浴びた弟はかろうじて一命はとりとめたものの脊髄にダメージを受け、言語能力も奪われ車椅子生活を強いられていた。
二年経ったある日、彼女の元に父親らしき男性の死体がアルプスの山中の氷河で発見された、という知らせが入った。
幼馴染でなにくれとなく相談に乗ってもらえる仲であるNY警察の刑事マーク・ライアンは同行を申し出たが彼女に拒まれた。
そんなマークにCIAを名乗るケルソーという男が接近し、ジェニファーの後を追え、それも彼女に知らせずに、という指示を与えた。
事情は明らかにされなかったものの、マークは彼女の安否が心配でその申し入れに乗った。
かくして舞台はスイスとイタリアの国境にまたがる氷河へと移るのだが、ここでジェニファーを待ち受けていたのは謎の暗殺者による襲撃と、想像すらしなかった事実が明らかとなる。
だが謎はさらに謎をよび、彼女には一体何を、誰を信じてよいのか皆目見当のつかない事態に陥る。
果たしてジェニファーは、そして幼馴染のマークは事件の真相を突き止めることが出来るのであろうか!
といったストーリー。
確かに国際的な謀略サスペンスとして一定の水準にあり面白いのだが、なんか重みがないというか心から楽しめない。
ひとつは主人公であるジェニファーに対し今一つ共感できないことと、最大の不満は失踪した彼女の父親に関するくだり。
書くとネタバレになってしまい明らかに出来ないのであるが、父親のディテールを描かなければどうにも納得できない内容となっている。それで★3つになってしまった。
昔、「雪の狼」を読みました。
スターリン暗殺ものでけっこう面白かったと記憶してます。
スピード感があってスイスイ読めますが
大胆な設定である割に、
「ジャッカルの日」のような重厚感が少ない。
min-minさんの「重みがない」という評価に共感できます。
確かにフォーサイスのような重厚さはなくとも、あの作品では運命に翻弄される男と女のせつなさがあって胸にせまったような記憶があります。