min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

コーディ・マクファーディン著『遺棄 上・下』

2013-01-08 01:54:04 | 「マ行」の作家
コーディ・マクファーディン著『遺棄 上・下』ヴィレッジブックス 2011.10.20 第一刷 各780円+tax

オススメ度 ★★★★☆

『傷跡』『戦慄』『暗闇』に続くFBI特別捜査官スモーキー・バレット・シリーズ第4弾である。
スモーキーは新しい恋人(既に同棲中)と共に、養女のボニーをアレン夫婦に預け、二人してのんびりとハワイ島で休暇を過ごしていた。過去のあの忌まわしい事件の後初めてのまとまった休暇と言えた。まるでハネムーンのようでもあった。
帰国したスモーキーは部下のキャリーの結婚式に出席したのだが、その式の真っ最中にホテルの駐車場に頭を丸められ白いガウンを着た女性が車から放り出された。ロス市警の警官やFBI関係者が集まる目の前で!
これが事件の発端で明らかに事件捜査機関へ対する挑戦状であった。女性の身元を調べると8年前に拉致され失踪したと思われる元ロス市警の女性刑事であったことから、この事件は一層関係者に緊張感をはしらせたのであった。
今回の犯人像は過去のシリーズで登場したモンスターとも呼べる犯罪者像とは一味もふた味も違った。というよりもスモーキー達の想像をはるかに超えた、まるで次元の違う世界に存在するモンスターに思えた。
実際、訳者のあとがきで、著者マクファーディンが今回の“悪役”から本作の構想を練った際、今までとは全く違った犯罪者を描きたかったと真情を吐露したことを紹介している。
果たして今までとは違った犯人像とは?これは読んでのお楽しみ!と言ったところであるが、個人的に確かにこれ以上恐ろしい犯罪者は聞いたことがない。
ここまで来ると極限の犯罪者=敵と言えるだろう。
そしてこの恐ろしくも切ない結末の果てにこのシリーズはどこへ行ってしまうのだろう???

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