南原幹雄著『信長を撃(はじ)いた男』新潮文庫 H17.8.1 590円+tax
信長狙撃に関しては諸説があるようだが真相は謎だ。今回信長を狙撃して失敗した暗殺者として登場するのは甲賀忍者にして甲賀随一の鉄砲の名手、杉谷善住坊という男。
信長に反目する近江の六角承禎に請われ信長暗殺を画策する。
時は元亀元年=1570年、信長は全軍を引き連れて越前朝倉攻めのため敦賀を目指した。だが途中で同盟を結んでいたはずの浅井勢の裏切りを察し急遽京に逃げ戻った。両家への反撃準備のため一旦京都から岐阜へ戻ろうと信長はわずかな手勢を連れ近江付近の峠道を進んだ。
この機を千載一遇の好機として捉えた善住坊と朋友の太郎坊。だが、狙撃には失敗する。その失敗の理由はなかなか考えたものだがもちろんここでは明かせない。
信長は善住坊が放った弾で浅手を負うが命には別状がなかった。九死に一生を得た感の信長は岐阜に戻るなり憤怒にかられ狙撃犯の割り出しを部下に命じる。
ここで起用されたのが蒲生典膳という男。武芸百般に通じた剛の者であった。
かくして蒲生典膳とその部下による執拗な杉谷善住坊の追跡劇が展開される。追われる杉谷善住坊もただ逃げ回るわけではない。機をみて再三信長を狙おうと待ち構える。
だが天下の情勢は急速に信長の天下取りに傾いていき、六角勢も凋落の道を辿り始める。そしてその庇護をうけるべく杉谷善住坊の立場は弱くなり、彼の首に懸けられた懸賞金の額が千両にも及び、いつ味方の裏切りにあうか分からない不安定な状況に追い込まれたのであった。
そしてついに杉谷善住坊の命運も尽きようとしていた・・・・・
なかなか巧みなプロットの構成と軽快なストーリー展開で一気に読ませる力を持った作品である。
作者の南原幹雄はお初の作家である。
信長狙撃に関しては諸説があるようだが真相は謎だ。今回信長を狙撃して失敗した暗殺者として登場するのは甲賀忍者にして甲賀随一の鉄砲の名手、杉谷善住坊という男。
信長に反目する近江の六角承禎に請われ信長暗殺を画策する。
時は元亀元年=1570年、信長は全軍を引き連れて越前朝倉攻めのため敦賀を目指した。だが途中で同盟を結んでいたはずの浅井勢の裏切りを察し急遽京に逃げ戻った。両家への反撃準備のため一旦京都から岐阜へ戻ろうと信長はわずかな手勢を連れ近江付近の峠道を進んだ。
この機を千載一遇の好機として捉えた善住坊と朋友の太郎坊。だが、狙撃には失敗する。その失敗の理由はなかなか考えたものだがもちろんここでは明かせない。
信長は善住坊が放った弾で浅手を負うが命には別状がなかった。九死に一生を得た感の信長は岐阜に戻るなり憤怒にかられ狙撃犯の割り出しを部下に命じる。
ここで起用されたのが蒲生典膳という男。武芸百般に通じた剛の者であった。
かくして蒲生典膳とその部下による執拗な杉谷善住坊の追跡劇が展開される。追われる杉谷善住坊もただ逃げ回るわけではない。機をみて再三信長を狙おうと待ち構える。
だが天下の情勢は急速に信長の天下取りに傾いていき、六角勢も凋落の道を辿り始める。そしてその庇護をうけるべく杉谷善住坊の立場は弱くなり、彼の首に懸けられた懸賞金の額が千両にも及び、いつ味方の裏切りにあうか分からない不安定な状況に追い込まれたのであった。
そしてついに杉谷善住坊の命運も尽きようとしていた・・・・・
なかなか巧みなプロットの構成と軽快なストーリー展開で一気に読ませる力を持った作品である。
作者の南原幹雄はお初の作家である。
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