min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

映画『探偵はバーにいる』

2011-09-13 16:32:12 | ノンジャンル
この映画のタイトルは実は東直己の「ススキノ便利屋・俺」シリーズの最初のもので、原作は二作目の「バーにかかってきた電話」である。
何でこんなめんどくさいタイトルになったかは監督に聞くしかないが、確かに映像化するのは二作目のほうが良いのかも知れない。

ところで「原作を越える映画にはお目にかかったことがない」というのが僕の持論であるが、この作品も例外ではない。
この辺りのことは東直己氏も充分に承知しており、彼の新作「半端者」の作者後書きでもこう述べている。

“自分は小説と映画は全く別のものだと考えているので、自作の映画化は今回で二回目だが、どちらの場合も、一切口を出さないようにした。映画は、基本的に監督のものであって、原作者のものではない”
と。

したがってこの映画は原作と全く別の作品であると割り切って観るべきものとあいなった。
そもそも「俺」役が大泉洋、高田役が松田龍平と聞いただけで、原作の登場人物といかにかけ離れているか瞬時に理解出来る、というものだ。
ストーリーの原作との乖離はあるものの、舞台設定はまぎれもなく北海道の札幌であり、なかんずく北日本最大の歓楽街ススキノである。

僕なんかはこのススキノをどう描写するのか?だけの興味で観に行ったと言っても過言ではない。
観ていて、「おっ、ロビンソン・デパートの裏、新宿通りだ!あ、ジンギスカン・だるまの看板が見えたぞ。俺が追い詰められた小路は新宿通りからだるまに通じる小路じゃね?お、ススキノ交番ビルの屋上で撮影してるぞ!」なんぞワクワクして見入ってしまった。
ところで、雪の降るススキノ歓楽街を身をすぼめて歩く大泉洋が何ともサマになっているのは彼が準地元民のせいであろうか。
高田役の松田龍平とのコンビぶり、会話のコント的やりとりは十分楽しめる。これは全く別の「探偵物語」になり得るのでは。
初期の「俺」シリーズにはなかなか読みごたえのある作品があり、あと2,3作シリーズで映画化してくれたらまた観に行くぜ♪

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