宇江佐真理著『我、言挙げす』文藝春秋 2008.7.10一刷 1,524円+tax
オススメ度★★★☆☆
御馴染の「髪結い伊三次捕物余話」シリーズの最新刊である。
本編は
・粉雪
・委細かまわず
・明烏(あけがらす)
・黒い振袖
・雨後の月
・我、言挙げす
の六編からなる。
このうち、「粉雪」「明烏」「雨後の月」が伊三次とお文を軸とした物語であり残りの3編はいずれも今は見習いから“番方若同心”となった不破の長男、龍之進の物語となっている。
この不破龍之進はけっこう気まぐれな性癖を持つ一方、妙に純真で生真面目な
性格の持ち主である。私はこの若者が嫌いというわけではないがどうも感情移入できない。
したがって前作の感想でも書いたがこの若者が本シリーズを乗っ取るかたちで頻繁に登場するのは面白くない。
もっともっと伊三次とお文を、そして不破やその他の取り巻き連中を描いて欲しいのだ。
これは時空を越えた、例えれば架空ではあるが親戚の動向を知りたい“親族の情”みたいな思いを持つにいたった読者のささやかな願い事と言ってもよい。
ネタバレを記すわけにはいかないので詳細は書けないが「我、言挙げす」の最後の最後の場面は非常に気になる。
もし更にこのシリーズが続くのであれば、もう一度原点に戻って伊三次とお文の生き様を思う存分書いて欲しいものだ、宇江佐真理さん!
オススメ度★★★☆☆
御馴染の「髪結い伊三次捕物余話」シリーズの最新刊である。
本編は
・粉雪
・委細かまわず
・明烏(あけがらす)
・黒い振袖
・雨後の月
・我、言挙げす
の六編からなる。
このうち、「粉雪」「明烏」「雨後の月」が伊三次とお文を軸とした物語であり残りの3編はいずれも今は見習いから“番方若同心”となった不破の長男、龍之進の物語となっている。
この不破龍之進はけっこう気まぐれな性癖を持つ一方、妙に純真で生真面目な
性格の持ち主である。私はこの若者が嫌いというわけではないがどうも感情移入できない。
したがって前作の感想でも書いたがこの若者が本シリーズを乗っ取るかたちで頻繁に登場するのは面白くない。
もっともっと伊三次とお文を、そして不破やその他の取り巻き連中を描いて欲しいのだ。
これは時空を越えた、例えれば架空ではあるが親戚の動向を知りたい“親族の情”みたいな思いを持つにいたった読者のささやかな願い事と言ってもよい。
ネタバレを記すわけにはいかないので詳細は書けないが「我、言挙げす」の最後の最後の場面は非常に気になる。
もし更にこのシリーズが続くのであれば、もう一度原点に戻って伊三次とお文の生き様を思う存分書いて欲しいものだ、宇江佐真理さん!