min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

まとめ3作

2007-10-21 17:10:02 | ノンジャンル
【お詫び】

先月から体調を崩し、PCに長らく向かうことができません。読書そのものには大して影響はないのですが。
10月に読んだ他の3作品は寸評でお許しください。


今野敏著『ST警視庁科学特捜班』講談社文庫 

オススメ度 ★★☆☆☆

STシリーズのハシリか。ある種の「超能力」を持った者たちで編成された捜査班の活躍が見ものらしいがその真骨頂が発揮される前段、といった感じはあるも次回作以降に乞うご期待!といったところかな。


ロバート・ラドラム著『暗殺のアルゴリズム(上・下)』新潮文庫

オススメ度★★★★☆

作者が亡くなって後発見された遺稿とのこと。ラドラムといえば代表作『暗殺者』を思い浮かべるのであるが、晩年の作品には往時の勢いがなくなった、との批評が多いが確かにその感は否めなかった。
本作品はそんな批判を払拭できる勢いが戻った作品と言えるのではなかろうか。


アンディー・マクナブ著『解放の日』角川文庫

オススメ度 ★★★☆☆

2年ほど前に読んだ『ラスト・ライト』のニック・ストーンが主役のシリーズ。
前作も冴えない元SAS隊員であったが、今回もこと女に対しては情けない限りだ。
彼女からほとんど“三行半”をつきつけられながら、しょうがなく諜報戦に戻ったニックであるが今回も苦戦を強いられる。
見張り、偵察、尾行、拉致の場面の描写は相変わらず“体験者のみが語る”迫力と真実感に満ちている。
このニックに報いられる未来はあるのだろうか?

名残り火(てのひらの闇Ⅱ)

2007-10-21 16:03:24 | 「ハ行」の作家
藤原伊織著『名残り火(てのひらの闇Ⅱ)』文芸春秋 2007.9.30 1619円+tax

オススメ度 ★★★★☆

藤原伊織氏の最後になってしまった作品。あの『てのひらの闇』の続編である。

親友である柿島の死をめぐりその真相究明に乗り出した堀江雅之。
今はひとりで経営する堀江企画の代表であるがかって属したタイケイ飲料宣伝部課長時代、彼を慕い強力にサポートした元部下大原真理子女史が再登場し、更にドカティをぶっ飛ばすナミちゃんも顔を出すにいたって読者はニンマリとし前作の記憶を懐かしく思い出すしかけになっている。
一匹狼で真相を探る堀江の前には新たに三上という容貌魁偉な社長が登場し、あんに反し彼の強力な助っ人となり、警察側にも極めて味わい深いキャラを持った関根という刑事が登場し脇を固める。
コンビニ業界の裏事情とその経営を巡る思想の違いがやがて殺人事件に至る紐解きはある意味意外性がありながら現実性に乏しい面もさらける。
だが、そんな枝葉末節な事を忘れさせる著者のストーリーテリングの巧みさはさすが!と唸らざるを得ない。
彼に続いた打海文三氏といい、同世代作家の中でも抜きん出て好きな作家のあまりにも早すぎる逝去にただただ残念としか言いようが無い。合掌。