東直己著『挑発者』角川春樹事務所刊 2007.6.8 1,900円+tax
★★☆☆☆
私立探偵・畝原シリーズの最新刊。冒頭からこんなことは書きたくないが、東先生は正直もうネタ切れしたと言わざるを得ない。この畝原シリーズばかりではなく俺シリーズにおいても感じたことであるが、もう札幌、いや北海道にはこの両シリーズにて語られるべき“巨悪”は存在しない。
東先生が最も忌み嫌い憎んだ「道警の腐敗・汚職」について書き込み、書き上げた時点で彼の怒りの最大の対象はなくなってしまったと言っても過言ではない。
今回のネタは脈絡があるようで実は無い3つのストーリーが並行して語られるのであるが、結末は最初からおぼろげに分かる気がすることから読むほうも力が入らない。
特に前半から中盤にかけて夜のホステス嬢のコンペティションに係わる饒舌な語り、描写は読む側からすればかなりの忍耐力を強要される。
地元の、男女にかかわらないのだが、会話における“北海道弁”にしても「今頃こんな方言使う連中はそうそういるもんじゃない!」と鼻についてしょうがない。
初期作品の「渇き」や「悲鳴」にみられる硬質なハードボイルドを期待するには、今の東先生自身が「たらふくメシを食いすぎている」ために無理な注文なのであろうか!?
★★☆☆☆
私立探偵・畝原シリーズの最新刊。冒頭からこんなことは書きたくないが、東先生は正直もうネタ切れしたと言わざるを得ない。この畝原シリーズばかりではなく俺シリーズにおいても感じたことであるが、もう札幌、いや北海道にはこの両シリーズにて語られるべき“巨悪”は存在しない。
東先生が最も忌み嫌い憎んだ「道警の腐敗・汚職」について書き込み、書き上げた時点で彼の怒りの最大の対象はなくなってしまったと言っても過言ではない。
今回のネタは脈絡があるようで実は無い3つのストーリーが並行して語られるのであるが、結末は最初からおぼろげに分かる気がすることから読むほうも力が入らない。
特に前半から中盤にかけて夜のホステス嬢のコンペティションに係わる饒舌な語り、描写は読む側からすればかなりの忍耐力を強要される。
地元の、男女にかかわらないのだが、会話における“北海道弁”にしても「今頃こんな方言使う連中はそうそういるもんじゃない!」と鼻についてしょうがない。
初期作品の「渇き」や「悲鳴」にみられる硬質なハードボイルドを期待するには、今の東先生自身が「たらふくメシを食いすぎている」ために無理な注文なのであろうか!?