min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

Gボーイズ冬戦争―池袋ウエストゲートパーク7

2007-06-19 23:34:36 | 「ア行」の作家
石田衣良著『Gボーイズ冬戦争―池袋ウエストゲートパーク7』文芸春秋刊 1600円
★★★☆☆
今回は「要町テレフォンマン」「詐欺師のヴィーナス」「バーン・ダウン・ザ・ハウス」「Gボーイズ冬戦争」の4話から構成されている。

今や池袋の高名な“お助けマン”となったマコト君の、トラブルシューティングの腕も上がった様がよく描かれており、読者は安心してサクサク読み進めることが出来る。1作から3作はそんな感じの短編である。

最後の「Gボーイズ冬戦争」はちょっとトーンが変わり、親友?のGボーイズのキングの危機(Gボーイズの内紛)に際し自らが身を挺してキングを守ろう、という意気に燃えるマコト君。
池袋の負の勢力の安定したバランスを崩そうという外部勢力に対し、池袋の2大ヤクザ組織、その予備軍とも言えるGボーイズの頭が集まる対策会議?に同席するマコト君。
本人はけっして喜んで座っているわけじゃない、と弁明するのだが、やはり「マコト君って何なの?」という素朴な疑問がわいてくるのを押さえることはできない。
そろそろマコト君の立位置の設定が物語構成上難しくなってきたのではないだろうか?

ディックさんがかって書いておられたように、このシリーズはR.B.パーカーの「スペンサー・シリーズ」にだんだん似た雰囲気がしてきたようだ。そろそろ卒業しようかな・・・