sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:キューティー&ボクサー

2014-02-03 | 映画


これ、最初にポスターやチラシ見た時は
なんか貧乏くさい人情話かなぁと思って見るつもりがなかった。
でも映画館で予告編を見て、おお?っと。
これは、もしかしたらいい感じのラブストーリーなのかもしれない。
年取った貧乏なアーティストたちだけど
貧乏くさくはない、何かピュアなもののあるラブストーリーかも、と。

前に会田誠のドキュメンタリーを見たときも思ったんだけど
日本の現代美術家って、生活がものすごく所帯じみてるよね?
というか貧乏臭いというか・・・
芸術家って生活の中に美意識はいらないのかなぁと思った。
既存のお行儀のいい美意識なんかいらなくても、
何か作家なりのこだわりのようなものが何かあるかと思っちゃうけど
なさそうで・・・生活に追われててそれどころじゃないというか。

まあ、それはどうでもいいことなんですけど
この映画を何と説明すればいいのか。

若い頃にアメリカに行った芸術家とアメリカで知り合って
そのまま一緒になった美大生の女の子、の
ウン十年後の様子を撮ったドキュメンタリーです。
芸術家は相変わらず貧乏だし、
体を壊してお酒はやめたけど、息子は依存症っぽいし
あまりぱっとしない家族なんですけど、

なんか、まあ、悪くないなぁと思ってしまったなぁ。
この夫婦がね。
「ビフォア・ミッドナイト」もそうだけど
長く連れ添った夫婦の、なんだかめんどくさいけどいいところ、
みたいなのが、あるなぁと。
そのめんどくささが、わたしの結婚では無理だったんだけど
そこを受け入れると、いいものもあるなぁと思ったり・・・。
結局お互いが好きで、必要なんだろうなぁ。
世の中には、人生には、いろんな可能性があって
他の人やものやことに目がいったり心が持って行かれたりするけど
ずっとそばにいる人というのは、やはりかけがえのないもので
どんなにぱっとしなくても、嫌なところが目についても
その人しかいないんだと覚悟を決めれば
その人が一番大事な相手になるってことかなぁ。

あと、芸術家の妻というのは、大変よねぇとまた思いました。
有名な小説家フィッツジェラルドの妻ゼルダをいつも思い出すんだけど
(ゼルダも、ものを書いていました)
我が強くて自信家の芸術家を夫に持つと
その妻は影のようにしか扱われなくて、
必死で頑張っては叩きのめされぼろぼろになるか、
諦めて自分を殺して夫の才能に支えるか、どちらかになるしかないのかな。
この前見たドキュメンタリ映画で現代美術家アイ・ウェイウェイの妻も
やはり現代アートの作家で、彼女には葛藤はないのかなぁと思ったし。
(ちなみにウェイウェイは他の「友達」女性に子どもを産ませて
 その子をとてもかわいがってます・・・)
会田誠の妻も作家だったよね。
芸術家の妻、というくくりで、もっと調べてみると面白そうだけど
なんだか気が滅入りそうなのでやめとこう。笑