老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

人間の行動学(北山君遺稿) Chistes編 その⑤ ~予測の基準は?~

2019年07月23日 19時58分39秒 | 北山君 遺稿集(人間の行動学)
 いよいよ本格的な暑さ到来ですね。
今日は神戸に出向いて、先日亡くなった叔母の49日に出席しましたが、神戸も蒸し暑かった!!
少し中断しましたが、また「人間の行動学」(北山君遺稿)に戻ります。
今回は、この暑い時期を少しでも忘れようとして、冬に向かっての話題です。(まさ)


 猛暑の夏が過ぎて初秋・・・インディアンの老酋長が老衰で亡くなり、後継者として若いインディアンが選ばれました。老酋長のように一族から信頼されるに相応しい実力を持つ若きインディアン(スペイン語ではインディオ)です。

 秋が深まり一族郎党から、若き酋長は聞かれました。
「酋長!、間も無く冬が来るんですが、今年の冬は寒いんでしょうかね~?」と。
若き酋長、亡くなった老酋長からどのようにして天候を見極めるか、予測するのかを聞いていなかったことを思いだしたのですが、即座に答えねば一族の信頼を失うので、答えました。
『オ~、今年の冬に備えるために薪を集めておくように! 寒くなっても困らんように準備するのは当然だよ』と。

 数日後、この若い酋長は、合理的な知識を習得しておるのを思いつきました。
“こういうことは気象庁に聞けばよい”と・・・、公衆電話に走りました。
『モシモシ、今年の冬は寒いんですかね?』
「多分、寒くなると云う観測です」と気象庁の担当が答えました。
若き酋長、直ぐに帰って一族郎党に命令をしました。
『来る冬に備えて、精出して薪を集めるように!』

 一週間後、若き酋長は再度、気象庁に電話をいれて聞きました。
『今年の冬は、必ず寒くなるんですね?』と。
「勿論です、今年の冬は寒くなりますよ」
若き酋長は飛んで帰って、一族郎党に告げました。
『集められるだけの薪、燃えるもの全てを集めるように!今年の冬は寒くなるんだから!』

 さらに一週間後、若き酋長は気象庁に電話をしました。
『今年の冬は絶対に寒くなるんでしょうな?』と。
電話に出た気象庁の担当官は答えました。
「必ず、今年の冬は例年以上にものすごく寒くなるのは間違い無いです! 私共が観測を始めて以来の寒さになるんです!」

 若き酋長は問い返しました。
『すみませんね~何度も聞いて・・・ところで気象庁ではどうやって今年の冬が凄く寒いと予測するんでしょうかね?』
担当官は声を少し低めて答えました。
「あのですね~、インディアンが必死になって薪を集めておるので、必ず寒くなるんです」

教訓:
 まあ誰も、世の中の先の事に、確固とした結論を下すことは不可能である。
経済も、社会も、通貨のレートも、株価も、自然&天候も、男女の恋愛そして愛し合って結婚した夫婦の将来も・・・そうです全て将来どうなるか
予測は予測、確固とした結論は出せないのが、この世である。
予測や観測に右往左往することは、避けるべきである。

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