京都府立植物園を終えてからは、地下鉄で途中乗り換えて東西線の蹴上駅まで。
ここから南禅寺は直ぐで、南禅寺に入るのには蹴上インクラインの下にある通称「南禅寺トンネル」を通りますが、何気なく通っているこの短いトンネルには由来がある様です。
紅葉とは少し逸れますが、このトンネルの事に触れます。
正式なトンネルの形式は「ねじりまんぽ」という奇妙な様式のようですが、これは鉄道用語として“築堤の下を斜めに交叉してトンネルや暗渠などを造る際にアーチが荷重を垂直に受けるように煉瓦を斜めに螺旋を描くように積み上げる工法のトンネル”を言うようで、かっては関西に結構な数があったようですが、現存するのはここだけということです。
即ち、このトンネルの上には蹴上インクライン(傾斜鉄道)があり、昔インクラインは琵琶湖疎水による大津~京都の船運ルートとして、台車に乗った船が通っていました。
『ねじりまんぽ』は、その重さに耐えられる構造として、トンネル内壁の煉瓦を斜めに巻き、トンネル自体もインクラインと直角にならないように、斜めに掘られています。
尚、「にじりまんぽ」という奇妙な名前については、ねじり」と「まんぽ」の二つの単語からできています。
「ねじり」は、上述の通りにトンネルのレンガがねじって積まれていることに由来するようですが、
もう一つの「まんぽ」の方ですがこちらは諸説あるみたいです。(「夢があるから強くなる」より)
・山科地区にある短いトンネルを「まんぽ」と呼称していたことに由来する
・蹴上地区の人が「ねじりまんぽ」のことを「まんぽ」と言っていたに由来する
・マンホールの名前から由来する
・線路の下をくぐるトンネル状の通路を示す方言に由来する
などですが、はっきり断定はできないようです。
また、このトンネルの西側入口(三条通側)には第3代京都府知事だった北垣国道が書いた【雄観奇想】という扁額があります。
<ゆうかんきそう>と読み、「見事な眺めと優れた考え」という意味のようです。
さて、南禅寺への目的は、最初に書いたように6年前に亡くなった叔父さんが納骨されている帰雲院という塔頭にお参りすることですが、それ程人出が多くない南禅寺も中を通り抜けて、帰雲院でのお参りをさせていただき、その後すぐ近くにあるモミジの名所として有名な永観堂を訪れることにしました。
とりあえず、南禅寺トンネル(ねじりまんぽ)や南禅寺の様子をお知らせします。(まさ)
南禅寺トンネル
「ねじりまんぽ」の案内板
「ねじりまんぽ」の土木的な写真。(㈱北畑都市設計のHPより借用)
南禅寺中門
天寿庵の紅葉
同上
水路閣。 上には疎水が流れています
帰雲院
同 庭園
直ぐ近くにある東山高校の敷地を流れる疎水からの水流