「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

国立西洋美術館でホッコリ『松方コレクション展』

2019年08月15日 | 雑感・日記的な
お世話になった先輩の家を出て、夕方まで時間を潰すのに何かエエところはないか?と、ネットで調べていたところ、国立西洋美術館で特別展をやっているという情報がヒットして、行ってみることにしました。

原田マハの『楽園のカンヴァス』を読んでから、「いっぺん、美術館に行って、いわゆる名画を観賞してみたいなぁ~」と、漠然と思っていました。

一人でユックリできる時間があったので、ちょうど良いタイミングでしたね。

上野まで地下鉄に乗って、上野に着くと、なかなかの暑さと多くの人出で賑わっていました。

西洋美術館まで坂道を上っていくだけで、かなり汗をかきましたが、着いたところで目にしたものは!



入場券を買うのに、20分待ちの列でした(^_^;)

「まぁ、20分程度なら」と、我慢して並んでいると、横に並んでいたオバ様が「暑いわねぇ~」と、話しかけてこられたので、東京人のふりをしながら、「そうですね」と、標準語イントネーションで愛想よく答えながら話をしていると、「あなた、割引券あるの?」と言われ、「無いです」と答えたら、「じゃあ、これ一枚、たったの100円引きだけど、差し上げるわ」と、割引券をいただきました。

「都会の人は冷たい」とも言われがちですが、とても上品で優しいご婦人でした。

チケット売り場で1,500円払って入場すると、とても気持ちよく冷房が効いていて快適で静謐な空間が広がっていました。

ルノワール、ゴッホ、ピカソ、マネ、モネ、ゴーギャン、そしてロダンの彫刻(考える人)など、スゴい量の展示に圧倒されます(^o^;)

美術館では常設展と合わせて2時間ほど滞在しました。
数々の名画を目の当たりにして、「shuよ!何か感じるものがあるか?」と、自分に問いかけながら観賞しましたが、ノーインスピレーションでした(^_^;)

まぁでも、とても心豊かなひとときが過ごせたと思っていますよ。
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平和な日常に感謝『黒い雨』by井伏鱒二

2019年08月15日 | 小説レビュー
~一寸さきは地獄だぞ。焼け死ぬぞ。

一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨の中を人々はさまよい歩く……。罪なき広島市民が負った原爆の悲劇。その実相を精緻に描く名作。
一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の雨のなかを人々はさまよい歩く。原爆の広島――罪なき市民が負わねばならなかった未曾有の惨事を直視し、“黒い雨"にうたれただけで原爆病に蝕まれてゆく姪との忍苦と不安の日常を、無言のいたわりで包みながら、悲劇の実相を人間性の問題として鮮やかに描く。被爆という世紀の体験を、日常の暮らしの中に文学として定着させた記念碑的名作。「内容紹介」より


「死ぬまでに読んでおくべき名作100選」にも選ばれている名作です。

時まさに広島と長崎に原爆が投下された日に読んだのも、何かの巡り合わせかも知れません。

小学生の頃に図書室で読んだ絵本『ピカドン』の凄まじい絵が脳裏に甦りました。

閑間さんという主人公の目線で語られる被爆日誌が中心ですが、その周辺の方々の記憶や記録によって、様々な場所や立場における被爆の現実が生々しく綴られています。

井伏鱒二氏の文章が秀逸で、登場人物の間で語られる会話に、とても味わい深いものがありました。

あらためて、原子爆弾の非情な破壊力と、広島における惨状が胸に刻み込まれました。

平和であることの幸せに感謝し、水道の蛇口をひねれば水が出て、三度三度の温かいごはんが食べられる当たり前の毎日に感謝しなければなりません。

★★★☆3.5です。
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陰鬱な世界観『共喰い』by田中慎弥

2019年08月15日 | 小説レビュー
~欲望は、すべて水に還る。
少年たちの愛の行方と血のいとなみ。
川辺の町で起こる、逃げ場のない血と性の濃密な物語を描いた表題作と、死にゆく者と育ってゆく者が織りなす太古からの日々の営みを丁寧に描いた「第三紀層の魚」を収録。
第146回(平成23年度下半期)芥川賞受賞作。「BOOK」データベースより


芥川賞受賞作品なので、大変話題になりました。

田中慎弥氏の個性的なインタビューも、おぼろ気に記憶に残っています。

とても、ジメジメとした陰鬱な世界観で、ネットリと絡み付くような文章です。

「どうなってしまうんやろ?」と不安な気持ちで読み進めましたが、それなりのエンディングでした。

『共喰い』の他に『第三紀層の魚』も収録されており、こちらは、お爺ちゃんと孫の心温まる?ストーリーでした。

どちらも、短編なので、深みに欠ける感はありますが、あらためて長編で田中慎弥氏の世界観を味わって見たい気もします。

巻末の、瀬戸内寂聴さんとの対談は、源氏物語を中心に語られているんですが、これが中々の対談で、とても興味深く読ませていただきました。

★★★3つです。
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