「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

美しい純愛「きみに読む物語」byニコラス・スパークス

2017年09月30日 | 小説レビュー
〜わたしは、ありふれた男だ。
でも、わたしには全身全霊をかたむけて愛する女性がいる―身分ちがいの恋を乗りこえ、結婚したノアとアリー。
が、アリーの病気が、長く幸せな結婚生活を引き裂いた。
記憶を失った彼女のため、ノアは二人の愛の軌跡を綴った物語をひたすら読みきかせる…世界中をあたたかい涙で包んだ究極の純愛小説。「BOOK」データベースより


映画化もされている名作です。

「全米が泣いた」という触れ込みで、450万部以上売れたそうです。すごいですよね。

十代の頃、二人は出逢い、恋に落ちます。

しかし、その身分の違いから、二人の仲は引き裂かれてしまいます。

10年以上の時を経て、アリーには素晴らしい婚約者が出来、いよいよ結婚式まで秒読み段階に入った頃、アリーは、ある新聞記事を目にします。

「あの人に会わなくては!」と、居ても立ってもいられなくなったアリーは、ノアの元へ走ります。

そして二人は、あの別れから十数年間、お互いに同じ気持ちで過ごしていたことを確認し、再び激しい恋に落ちます。

そして、幸せな結婚生活を送ってい晩年・・・、突然、最愛の妻のアリーがアルツハイマーを患ってしまいます。

日々、失われていく、二人の愛の記憶・・・、ノアはアリーの気持ちを傷つけないように、最大限の注意を払いながら、アリーの記憶の奥底に呼び掛けるように、二人の物語を語って聞かせます。

そして、とうとう最後に奇跡が起こります!

嫌な人が全く出てこないので、ストーリーの起伏としては、若干物足りなさを感じますが、雨沢泰さんの訳も良い感じで、とても美しい情景描写と、二人の奥ゆかしも激しい愛が、とても良く表現されています。

とても美しいストーリーでした。

★★★3つです。

チャンチャン( ´△`)「ボーダー」by垣根涼介

2017年09月28日 | 小説レビュー
~渋谷のチーム「雅」を解散して3年。
カオルは東大生となり、アキは裏金強奪のプロとしてそれぞれ別の道を歩み始めていた。
ところが、ファイトパーティを模したイベントを見たという級友の話を聞き、カオルは愕然とする。
あろうことか主催者は「雅」の名を騙っていたのだ。
過去の発覚を恐れたカオルはアキに接触するが…。「BOOK」データベースより


『ヒートアイランド』シリーズのラストを飾るべく作品のはずですが、やっぱり、こういうシリーズものは一作目が一番良いね(^_^;)

誰かのレビューにもありましたが、油っこいけど美味しい中華料理のフルコースを食べた後の、杏仁豆腐のようなもんでした。

相変わらず、垣根氏の文章は読みやすく、サラサラと進みます。

しかしながら、柿沢も桃井も、そしてアキさえも、あのクールで切れ者の印象は消え去り、ファニーなギャングになってしまっています。

これも構成上仕方のないことなんでしょうか?

北斗の拳やドラゴンボールでも、敵はドンドン強大になり、レベルがグングン上がっていって、「どこまで強くなるんや!」って突っ込みを入れたくなりますが、この『ヒートアイランドシリーズ』では、敵はショボショボになっていくばかりで、最後なんて屁みたいなもんでした。

特に、かつて渋谷で最高最強を誇った『雅』のトップ6が3年ぶりに結集してのエンディングは、なんとも締まらんペラペラな会話のやりとりで、「う〜ん、垣根さん、どしたん?」って感じでした。

また、違う切り口のシリアスな作品を読んでみたいですね。
★★☆2.5です。

これは捨てたらアカンやろ!

2017年09月27日 | 雑感・日記的な
今朝、犬の散歩をしていたら、ゴミ捨て場に、これが置いてありました。

「今日は資源ゴミの日かぁ・・・・・・って!( ̄□ ̄;)!!」

今日は第3水曜日で、小型金属類の日なんで、フライパンとか出しても回収してくれはるんですよ。


だから、フライパンを捨ててもいいんです。

でも・・・、

『貴金属』は捨てたらアカンでしょ(^_^;)質屋さんに持っていかんとネ(*^ー^)ノ♪

ビバ!ドコモポイント(*^_^*)

2017年09月26日 | パソコン
ウチのプリンターの使い道は・・・、

「年賀状印刷80%、写真印刷10%、文書印刷・コピー10%」てな具合で、年間稼働率は10%ぐらいでしょうか

なので、割と長持ちしてます。

前のプリンターは、5~6年ほど前の年末に年賀状を印刷しようと思ったら、壊れてたということで、慌ててヤマダ電機に走りました。

なので安物の間に合わせで買ったキャノンのプリンターでしたが、これもとうとう壊れてしまい、「まぁ年賀状シーズンまで、少しあるけど、直前に慌てて買うよりも、余裕を持って買いましょう」ということで、ネットで色々調べていたところ、エプソンのカラリオPX-045Aというのが、コストパフォーマンス的に最適だとなりました。

早速、アマゾンなどで買おうと思いましたが、以前、近くのジョーシン電機に行ってヘッドホンを買った時に、「ドコモポイントを使われますか?」と聞かれたことを思い出しました。

帰り道にジョーシンに寄ってみたところ、カラリオPX-045Aの在庫があり、価格も5,000円程度だったので、即決しました。

そして「ドコモポイントで買えますか?」と聞くと、「もちろん大丈夫ですよ」とのことで、あっさりと買えました。

なんせ、毎月の公共料金とかもドコモの引き落としになっているので、ドコモポイントがドンドン貯まっており、現在のところ37000ポイントほどあったんですね。 その中から5000ポイントを使って、タダみたいに購入できました

美しい描写と心地よい文章「恋」by小池真理子

2017年09月26日 | 小説レビュー
~1972年冬。全国を震撼させた浅間山荘事件の蔭で、一人の女が引き起こした発砲事件。
当時学生だった布美子は、大学助教授・片瀬と妻の雛子との奔放な結びつきに惹かれ、倒錯した関係に陥っていく。
が、一人の青年の出現によって生じた軋みが三人の微妙な均衡に悲劇をもたらした…。
全編を覆う官能と虚無感。その奥底に漂う静謐な熱情を綴り、小池文学の頂点を極めた直木賞受賞作。「BOOK」データベースより


「小池真理子氏の作品を読むなら、まずは『恋』から」という声が多かったので、一番初めに読むことにしました。

石原さとみ主演でドラマ化もされています。

ノンフィクションライターの鳥飼が、浅間山荘事件の短編記事を書くにあたって、過去の地元紙を取り寄せると、片隅に「女子大生が発砲、一人死亡、一人重傷」という小さな記事を見つけてしまいます。

大々的に報道される浅間山荘事件の陰で、ひっそりと殺人事件が起こり、その後、しばらくして忘れ去られていったであろう、この事件を起こした加害者「矢野布美子」に、何か強い磁力で惹きつけられ、矢野布美子の影を追いかけ始めます。

やっとの思いでたどり着いた矢野布美子は、すでに病に侵されており、死期が迫ってきていました。鳥飼との信頼関係を築いた布美子は、最後の力を振り絞って、今まで誰にも語ることが無かったこの事件の真相を静かに語り始める・・・。というところから物語がスタートします。

私が、『恋』というタイトルの意味に気づいたのが中盤あたりで、主人公の女子大生、布美子は過去にも男性と付き合ったことはあったのですが、「こんな世界があったのね!」と、まさしく「初めての恋」に落ちていきます。

とは言っても、誰かを好きになるというよりも、大学助教授・片瀬信太郎と、その妻の雛子の間に挟まれて、片瀬夫婦を好きになるというか、二人と一緒に過ごす時間が愛しくなるというか、二人と一緒にいる自分が大好き・・・みたいな感じです。

初めての夏、軽井沢の別荘で過ごした時間は、まさに布美子にとって至福の1ヶ月あまりであったと思います。見るもの、触れるもの、食べるもの、会う人たち・・・、それら全てが初体験で、感動の連続であったようです。

ところが、その幸せな時間も、大久保という青年の出現によって暗転します。歯車が狂い始めたというか、布美子自身も語っているように、破滅に向かって進んでいくストーリーの歯車が「ガチャリ」と噛み合い、思いもよらぬ災いの渦に呑み込まれていきます。

結末がわかっているだけに、「どのようにして、この惨劇が起こってしまったのか?」という疑問に対する答えを求めながら読み進める手が止まらなくなりました。

片瀬夫婦には、誰にも言えなかった重大な秘密があり、その秘密を信太郎から聞かせられた布美子は愕然としますが、それが引き金になったわけではなく、大久保青年の言葉によって、その引き金を引いてしまいます。

そして、獄中でわずかに抱いていた願いも叶うことなく、刑期を終えた布美子は、家族とも縁を切り、人目を避けるように生きていきます。そこで冒頭のライター:鳥飼との出会いへと繋がっていく訳です・・・。

エピローグで、片瀬夫婦がマルメロ(かりん)と一緒に鎌倉で静かに暮らしていてくれたのが救いでした。

感想としては、その秘密の重大さが思ったほどではなかったことと、布美子と大久保の対決シーンの描写が若干薄く、ボヤけてしまっていて、少し物足りなさを感じました。何となく東野圭吾氏の小説を読んでいるような錯覚も覚えましたね。

いずれにしても、小池真理子氏の書く文章は、情景描写、人物描写、心理描写が巧みで、色んな場面々々が美しく、メロディアスで鮮やかに表現されています。本当に読んでいて心地よい作品でした。
★★★☆3.5です。


重苦しい生と死「野火」by大岡昇平

2017年09月22日 | 小説レビュー
~敗北が決定的となったフィリピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。
野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける…。
平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的作品である。「BOOK」データベースより


「読んでおくべき一冊」という触れ込みだったので、図書館で借りてきました。2014年に映画化もされている作品です。

文章が難しく哲学的で、時折難しい漢字の使い方をしていたので、なかなか読むのに時間がかかりました。

「世界の戦争史上、最も愚かな作戦」と称される「インパール作戦」など、太平洋戦争末期の日本軍司令部の戦争計画の無謀さには、「?」が付きまといます。

その象徴の一つである「レイテ島の戦い」ですが、延べ84,000人の日本軍人が投入され、結果80,000人余りが戦死。

といっても、実際の戦闘で亡くなったというよりも、餓死や病死した兵士の数の方が多かったとも聞いています。

著者の「レイテ戦記」では、より詳しくレイテ島での悲惨な状況を語っています。

フィリピンをはじめとする南方での日本軍の戦いぶりは惨憺たるもので、いま冷静に見てみると「なんでこんな無謀な作戦を?」と思うのですが、当時の情報伝達の杜撰さ、思い込み、そして日本人独特の「最後には神風が!」とか、「敵の捕虜になるぐらいなら自決せよ!」などという、とんでもない考え方が「正しい」とされていたんですね。

教育というか軍規というか、戦争時における精神の方向性というのは本当に恐ろしいものです。

筆者の大岡昇平氏は、1909年(明治42年)3月6日生まれ、1988年(昭和63年)12月25日没のまさに戦争世代の方です。

ご自身も1944年7月に応召され、フィリピンのマニラに派遣され、第百五師団大藪大隊、比島派遣威一〇六七二部隊に所属されたそうです。

なかなか手にとられにくいテーマであり、作品でありますが、戦争の悲惨さを語り継ぐ人たちがお亡くなりになっていく現実の中で、このような本物の私小説ともいえる作品を是非若い人たちにも読んで欲しいものです。
★★★3つです。

空虚な物語「だれかの木琴」by井上荒野

2017年09月17日 | 小説レビュー
~あなたの奥さんが何してるか知ってるんですか?ストーカーですよ。
「またお店でお会いできるのを楽しみにしています」主婦・小夜子が美容師・海斗から受け取った、一本の営業メール。
そのメールを開いた瞬間から、小夜子は自分でも理解できない感情に突き動かされ、海斗への執着をエスカレートさせる。
明らかに常軌を逸していく妻を、夫の光太郎は正視できない。
やがて、小夜子のグロテスクな行動は、娘や海斗の恋人も巻き込んでゆく―。「BOOK」データベースより


「もう二度と食べたくない甘いもの」から二作目の井上荒野作品です。

常盤貴子主演で映画化もされてますし、結構「オススメ小説」にもランクインしてます。
「まぁ、『もう二度と・・・』みたいなことはないやろ(^_^;)」と信じて読み始めましたが、全ぁ〜ったくの期待はずれでした。

「面白くない作品」というのは、こういう小説のことをいうのでしょう。

盛り上がりとか、どんでん返しとか、もちろんありませんし、キャラクターに深みや含みも全くなく、良い意味での裏切りもなく・・・。

ただ文字を並べただけの薄っぺらい小説でした。

小夜子は行動をエスカレートさせ、狂気じみていきますが、結局、美容師の海斗を自分のものにしたかったのではなく、夫・光太郎から愛されたかっただけだったというオチなんでしょうかね?

しかし、それを真相とするならば、もっと夫を精神的に追い詰めるとか、違う形で狂気的に夫への愛と執着を表現する文章があっても良かったかと思います。

いずれにしても、「もう二度と」井上荒野作品を手に取ることはないでしょう。
★★2つです。

残念ながら響かず「桜のような僕の恋人」by宇山佳佑

2017年09月14日 | 小説レビュー
~美容師の美咲に恋をした晴人。
彼女に認めてもらいたい一心で、一度は諦めたカメラマンの夢を再び目指すことに。
そんな晴人に美咲も惹かれ、やがて二人は恋人同士になる。
しかし、幸せな時間は長くは続かなかった。
美咲は、人の何十倍もの早さで年老いる難病を発症してしまったのだった。
老婆になっていく姿を晴人にだけは見せたくないと悩む美咲は…。
桜のように儚く美しい恋の物語。「BOOK」データベースより


いわゆる「泣かせます系」の小説でした。しかも女性がいつまでも美しくありたいという心理が、この物語の根幹にあるので、やはり男性としてはそこまで共感・共有することが出来ませんでした。

また、この主人公の「晴人君」が、イマイチ頼りなくて、「しっかりせいよっ!」って言いたくなって、感情移入できませんでした。

いずれにしても23、4歳の真っ直ぐな美しい恋物語なので、僕のような荒んだ心には響きませんでしたが、クライマックスでは少し涙が込み上げてきました(T_T)

★★★3つです。

あまり特筆すべきものは「最後の息子」by吉田修一

2017年09月12日 | 小説レビュー
~新宿でオカマの「閻魔」ちゃんと同棲して、時々はガールフレンドとも会いながら、気楽なモラトリアムの日々を過ごす「ぼく」のビデオ日記に残された映像とは…。
第84回文学界新人賞を受賞した表題作の他に、長崎の高校水泳部員たちを爽やかに描いた「Water」、「破片」も収録。爽快感200%、とってもキュートな青春小説。「BOOK」データベースより


吉田修一作品の短編集です。僕は吉田修一贔屓なんですが、今作はイマイチでしたね。

「最後の息子」も「破片」も、あまり感じ入る点はありませんでした。唯一「Water」だけが輝きを放っていましたね。

どれも、若い少年~青年男子が主人公なんですが、みな一様に不器用で、ガキっぽくて、「俺もこんなんやったかなぁ~」と思ったりもします。

でも「ホモ」ではありません(^-^ゞ

まぁ特に感想はありませんねぇ。
少なくとも、『爽快感200%』は大袈裟で、「Water」でも爽快感80%ぐらいでしょ(^_^;)

★★★3つです。

桐生の9秒台、影の立役者!

2017年09月11日 | スポーツ
先日の桐生祥秀選手がやってのけた、「日本男子陸上100m悲願の9秒台!」のニュースには日本中が歓喜しましたね。
いつかやってくれると信じていましたよ。

もちろん、桐生選手の弛まぬ努力や、監督・コーチを始めとする関係者の皆さん方のバックアップの賜物だと思いますが、その影には、実はすごいオジさんがいたんですよね。

以下日刊スポーツの記事より


 桐生祥秀(21=東洋大)の9日の日本学生対校選手権男子100メートルで9秒台をマークした快挙の裏にはスターターを務めた福岡渉さん(46)の職人技があった。
男子100メートル決勝の10分前、女子100メートル決勝の風は追い風2・3メートルで参考記録だった。
スターター歴11年、福井陸協のスターター主任は機転を利かし、風が弱いタイミングで号砲を鳴らした。

 女子100メートルのレース前。福岡さんは風のリズムを分析していた。
強風が1度吹いた後、わずかにやむ。再び強風が吹いた後、約3秒間風が弱まる。
その3秒がチャンス。そう気が付くと、イメージトレーニングを繰り返した。

 桐生、多田らがスタート位置で準備をする間。スターターの位置についた福岡さんは、約40メートル先の吹き流しを見た。
ただ係員と重なる。福岡さんは走って「どいて」と場所を動いてもらうようお願いした。
いよいよ本番。吹き流しを見ながら、ちょうど“弱風の3秒”の間に号砲を打った。
風は追い1・8メートル、公認記録の範囲内だった。
絶好のアシストをした福岡さんは「日本で最初に9秒台を出させることができた」と笑った。


写真は毎日新聞より


まぁ、この福岡渉さん46歳(って、同い年やんか)の絶妙のアシストがあってこその公認記録だと思います。

まぁ、人間って、自分ひとり頑張って生きているような気持ちになりがちですが、「目に見えないところで、多くの色んな方々に支えられて生かされているんやなぁ」と、あらためて感謝したい気持ちですね。