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2/3までは最高!『蜜蜂と遠雷』by恩田陸

2019年08月22日 | 小説レビュー
~私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。
著者渾身、文句なしの最高傑作!「BOOK」データベースより


う~ん・・・(^_^;)
2/3を読んだあたりまでは、「最高の出来っ!★★★★★5つかも!?」と期待しながら読みました。

ピアノコンクールの一次、二次、三次予選から、最終決戦である本選までを3人の天才ピアニストが互いに高め合いながら勝ち抜いていくストーリーです。

松岡茉優、 松坂桃李のダブル主演で映画化もされていますね!

まぁ、とにかく物語の2/3までは最高です!
寄せては返す感動の波!美しくも神々しい描写、クラシックファンでなくても、大体の曲の雰囲気がわかる比喩表現など、涙が溢れそうになることもしばしば(T_T)

しかし、次第にそれも「お腹いっぱい」になってしまい、「あぁ~、だんだんしつこくなってきた(;´д`)」となりました。

ピアノコンクールの概要もよくわかりましたし、三次予選のドキドキ&ハラハラ感までは、「さすがは恩田陸さん!」と、まさにスタンディングオベーションものでした!

しかし、そこから先は、ある程度予想されていた結果で、「そらそうやろうね。丸く収まったね。」という感じでした。

クラシックの名曲が、「これでもか!」というほど、出てきますので、YouTube等を聴きながら読むと、曲の持つ雰囲気をさらに感じることができて、共感を覚えるかも?知れません。

687ページ&上下二段の長編大作であり、三次予選までで、かなりの文章量ですし、本選の内容をしっかり書こうと思うと、ページが足りなかったのか?フェイドアウトするように物語が完結していきます。

「もう充分お腹いっぱい!」という気持ちと、「もっと見たい!聴きたい!」という欲求もあり、ぜひ、スピンオフのような形でもいいので、三人の天才たちが、三人三様に世界で活躍していく姿を観てみたい気もします!

アマゾンのレビューを読んでいると、「『のだめカンタービレ』を彷彿させる。」、「『ピアノの森』の方が断然素晴らしい!」という内容が多くあり、「なぜ直木賞と本屋大賞のダブル受賞?」という書き込みも散見されました。

しかし、僕は両方とも余りよく知らず、普通に感動した良作だと思いましたし、何回も書きますが、2/3あたりまでは、本当に良く描かれています!

ここまで言われると『ビアノの森(マンガ&テレビアニメ)』を見てみたくなりましたよ!
どちらも読んでいない方は、先入観なく読んでみて、素直に感動して下さい。

★★★★4つです!