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ますます期待感が膨らむ!『探花 隠蔽捜査9 」by今野 敏

2024年08月28日 | 小説レビュー
『隠蔽捜査9 探花」by今野 敏

~信念のキャリア・竜崎伸也に同期トップ入庁の新ライバルが出現! ? さらに横須賀の米軍基地近くで殺人事件が発生、米海軍犯罪捜査局(NCIS)捜査官が捜査本部に加わるを異例の事態に……。累計300万部突破の大人気シリーズ最新刊! 波乱含みのシリーズ第9弾!『BOOKデータベース』より

『隠蔽捜査』の第一作が2005年9月に発刊されて以来、大ヒットを続けている『隠蔽捜査シリーズ』ですが、果断 隠蔽捜査2、疑心 隠蔽捜査3、初陣 隠蔽捜査3.5、転迷 隠蔽捜査4、宰領 隠蔽捜査5、自覚 隠蔽捜査5.5、去就 隠蔽捜査6、棲月 隠蔽捜査7、清明 隠蔽捜査8と読みました。
どれも珠玉の作品ばかりで、主人公の竜崎伸也の原理原則に基づいた判断・行動・発言など、快刀乱麻を断つ活躍に、清々しい気分で読み終えることが出来ます。

今回の、『探花 隠蔽捜査9』は、2021年4月に『本当に気持ちのいい小説です『清明』by今野 敏 』と書いて以来、3年半ぶりに読む隠蔽捜査シリーズです。

毎回、サブタイトルの意味が作品に色濃く反映されているのですが、今回の 『探花』をWikipediaで調べてみると、
 探花(たんか)は中国の科挙制度で殿試で、第3位の成績で進士に及第した者の名称。
 首席及第者の状元、第2位及第者の榜眼と併せ て「三鼎甲」「三魁」などと呼ぶ。
とのことです。
ネタバレになるので、詳しく書くことは無いのですが、神奈川県警刑事部長に就任した竜崎が、東大卒業後、警察庁に同期入庁したライバル?八島の出現によって、どのように展開するのか?大変注目しながら読みました。

神奈川県というと、米軍基地を包含する特殊な港町・横須賀市がありますが、その横須賀を舞台に、日米関係や国際問題。
相変わらず、竜崎の考え方や行動は明確で、これまでの悪しき慣習や慣例などに囚われず、原理原則に基づいて、冷静沈着ながら縦横無尽に活躍してくれます。

組織で働くうえで、私も色々な人から教えていただいたことがたくさんあります。
「出世して人の上に立つには、上からの引き上げももちろん重要だが、下の人たちからの押し上げがもっと大切なんだ」と。
上の人の顔色ばかり見て、組織論に囚われすぎていては、下の人たちからの支持も得られないと思いますし、下の人に良い恰好ばかりしていても、結局「何のために?誰の為に仕事をしているのか?」ということになります。

そういう意味でも、今野敏氏が描く、竜崎伸也という人物の考え方や行動は大変参考になりますし、これからの社会人としての生き方、身の振り方を考えていくうえで、確かなヒントを与えてくれています。

★★★☆3.5です。
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深い心理描写&笑い『ギケイキ3』by町田康

2024年08月24日 | 小説レビュー
『ギケイキ3』by町田康

「やっば、てめぇらすげーわ。最高の敵だよ」。日本史上、屈指のヒーロー源義経を描いた古典『義経記』を、小説として現代に甦らせた超絶技巧・抱腹絶倒のシリーズ第3弾。「BOOKデータベース」より

2018年11月に書いた、「待望の!『ギケイキ2』by町田康」以来、5年の歳月を経て、『ギケイキ3』を読みました。

相変わらず、とんでもない深さの心理描写で、義経をはじめとする登場人物の心の中、歴史では語られなかった思いが、町田康の筆によって、読む者に感動と共感を与えてくれます。

本書は大きく分けて3つの章に分かれていると言えます。
佐藤忠信が殿を務める『吉野退き口」ともいえる壮絶な死闘編、義経を匿った高僧・聖弘得業による頼朝オルグ編、静御前の舞編です。
特に得業による頼朝オルグ編は、討論のやり方、自身の主張の仕方、相手の質問に対する答え方など、今を生きる私たちに不足している『コミュニケーション力』の向上に大いに参考になるやりとりでした。

本来の義経記なら、あっという間に読み終えるぐらいの章だと思いますが、町田康の筆にかかると、これだけの496頁におよぶ文章量となります。それでもグイグイと引き込まれ、どの章も読み応えがあり、笑いあり涙?あり、で心震える作品となっております。

いよいよ、続編『ギケイキ4』が完結編となっているとのことで、発刊が待たれますが、楽しみに待ちたいと思います。

★★★☆3.5です!
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歴史教科書のような『保守の旅路』by伊吹文明

2024年08月18日 | 小説レビュー
『保守の旅路』by 伊吹 文明

~政治家人生37年。大蔵省出身の財政通として、初当選から引退まで自民党税制調査会で活動。消費税導入に道を開いた。選挙制度改革による小選挙区制導入で、国会議員の「小粒化」が指摘される近年、戦争を経験し、中選挙区制のもとでし烈な選挙を戦い抜いてきた伊吹氏は、いまや数少ない戦後政治のかなりの期間を知る「保守政治家」といえる。政策、党務、議会に精通し、「保守とは謙虚な思想である」というのが伊吹氏の信条。伊吹氏の人生をたどることで、戦中戦後の社会と政治、そして保守政治の歩みと思想を浮かび上がらせる。「BOOK」データベースより

言わずと知れた、京都が生んだ偉大な政治家、元衆議院議長の伊吹文明先生の著書です。私も、大垣書店で開催された、予約本受取会に参加して、伊吹先生と一緒に写真を撮らせていただきました。

まさに戦後政治の年表、歴史書のような作品で、昭和~平成~令和という時代の変遷の中で、官僚・政治家としての使命感に燃え、「国家をどのように形づくっていくか?」という尊い理念のもとに、伊吹先生が自ら考え行動をしてこられる中で大切にしてこられた『保守』という思想を根本を世に問う作品でした。

読み終えて、私自身、伊吹先生のような崇高な理念や、経歴、そして経験については足元にも及びませんが、「自分は何ができるのか?」ということを考えて、これからも慎重に誠実に行動していきたいと思います。

印象に残っている文章としては、
『政策の立案は知識が大切ですが、政策を法律や予算として実現するのは知識ではなく人のつながり、人間関係なのだということです』
『私の考える保守とは、謙虚な姿勢だと思っています。自分自身を含め、人間は判断を間違えるものです。だから個人や一党の独裁、統制や計画経済ではなく、多くの人が参加する民主制、自由や市場経済を、私たちは大切にしている』
『民主主義の秩序を守るのが「法の支配」ですが、法律以上に秩序を保つ役割を担っているのは、その社会における暗黙の約束事、人々の行為や行動へのある種の歯止めになる伝統的な規範や慣習で、それは民族ごとに、宗教・生活習慣・地理的条件などにより、歴史の中で育まれてきたものです』
『長年にわたり、祖先から醸成されてきた生き方、伝統、文化などを大事にし、時代に合わせて更新していくことが保守の本質であり、良識が保守の基本にあると思っています。」

と、日本人として生きていく上で当たり前のように大切にしなければならない事が、グローバル化、デジタル化の渦に巻き込まれ、日本人特有の文化、良識、伝統が、少しずつ失われてきているように感じます。

日本に生まれ、日本で育ってきた者の一人として、昭和~平成~令和を生きる世代として、自分の子どもや、またその次の世代に、素晴らしい日本を引き継いでいかなけらばならないと思います。

さて、本書ですが、伊吹先生の主観で書かれていますが、偏ることなく、豊かな語彙とわかりやすい表現で、大変読みやすい著書となっております。
現代史を知る上でも貴重な資料であると思いますので、ご一読をお勧めいたします。

★★★☆3.5です。
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一年間更新せず

2024年08月14日 | 雑感・日記的な
最近は、Instagramなどの更新がほとんどで、なかなかブログを開けていませんでした
このブログは、わたしの人生の記録と言っても過言ではありません!
特に本のレビューは自分自身の宝物てす

本も何冊か読んでいますので、またアップします!
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