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陰鬱な世界観『共喰い』by田中慎弥

2019年08月15日 | 小説レビュー
~欲望は、すべて水に還る。
少年たちの愛の行方と血のいとなみ。
川辺の町で起こる、逃げ場のない血と性の濃密な物語を描いた表題作と、死にゆく者と育ってゆく者が織りなす太古からの日々の営みを丁寧に描いた「第三紀層の魚」を収録。
第146回(平成23年度下半期)芥川賞受賞作。「BOOK」データベースより


芥川賞受賞作品なので、大変話題になりました。

田中慎弥氏の個性的なインタビューも、おぼろ気に記憶に残っています。

とても、ジメジメとした陰鬱な世界観で、ネットリと絡み付くような文章です。

「どうなってしまうんやろ?」と不安な気持ちで読み進めましたが、それなりのエンディングでした。

『共喰い』の他に『第三紀層の魚』も収録されており、こちらは、お爺ちゃんと孫の心温まる?ストーリーでした。

どちらも、短編なので、深みに欠ける感はありますが、あらためて長編で田中慎弥氏の世界観を味わって見たい気もします。

巻末の、瀬戸内寂聴さんとの対談は、源氏物語を中心に語られているんですが、これが中々の対談で、とても興味深く読ませていただきました。

★★★3つです。

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