「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

軽妙な連環連作「残り全部バケーション」by伊坂幸太郎

2017年02月27日 | 小説レビュー
〜人生の<小さな奇跡>の物語。
夫の浮気が原因で離婚する夫婦と、その一人娘。ひょんなことから、「家族解散前の思い出」として〈岡田〉と名乗る男とドライブすることに──(第一章「残り全部バケーション」)他、五章構成の連作集。
内容(「BOOK」データベースより)

いやぁ〜・・・久しぶりに伊坂ワールドに浸りました(^-^)

伊坂さんの作品は、読んでいるだけで心が軽くなるような、とっても気持ちいい作品が多いです。

この「残り全部バケーション」もその一つですね!

5つの短編が収録されていますが、それぞれ別の雑誌に掲載されていた作品です。

何の先入観もなく読み始めたんで、第一章が終わったときに、「この家族はどうなるんやろ?岡田は?」と思い、ページをめくると

(; ̄Д ̄)?

となりますが、やっぱり伊坂ワールドさんですね!別々の作品なのに、全部繋がっているんですよね!

ハードボイルド系のやりとりが続くのに、どこか「ホンワカ、ほのぼの」とした気持ちになるのは、伊坂さんの文章が素晴らしいからですね。

巻末の解説は、佐藤正午正午氏が書いているのですが、読んでみると「なるほど!そういう風に読むとエエのね」と、思わず手を打ちたくなります。

そんなに深くないですが、所々に伊坂節なる名言が隠れていので、読んでいて「そうやねぇ〜・・・」と、納得したりします。

★★★☆3.5です。

ミステリーというよりコメディ「七回死んだ男」by西澤保彦

2017年02月21日 | 小説レビュー
〜どうしても殺人が防げない!?不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう。渕上零治郎老人―。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは。「BOOK」データベースより

タイトルからいって、おどろおどろしい話かと思いきや、ミステリーではあるけれども、コメディタッチで軽妙に描かれているため、全然怖さはありません(^^;

ストーリー的には面白いですが、いささか文章に緊迫感がなく、読んでいてもグイグイ引き込まれません(-_-;)

オチもそれほど驚きはなく、実を言うと「早く終わらへんかなぁ〜」と思いながら最後まで読みきりました。

★★☆2.5ですな。

名作といえるのでは?「旅のラゴス」by筒井康隆

2017年02月15日 | 小説レビュー
〜北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。「BOOK」データベースより


図書館で予約申込をして、3ヶ月待って、やっと借りられた人気作品です。

筒井康隆さんといえば、十代の頃に読んだ「家族八景」、「七瀬ふたたび」を思い出します。とても奇妙な世界観でしたねぇ~。
人間の深層心理を透視するように読み取る力を持った女性「七瀬」が主人公で、人間がいかに邪な心を持って人と接しているかということをまざまざと知らされる、とても恐ろしくも面白い小説だったと記憶しています。

その筒井氏の作品に25年ぶりに触れました。やはり素晴らしい作家さんだと思います。

その筒井氏の作品の中でも、「旅のラゴス」は異色であるらしいのですが、とても不思議な物語です。

主人公のラゴスが、青年期から老年期に至るまでの旅の様子を描いただけの物語なんですが、この世界観が奇妙奇天烈でオモシロい!ジブリやディズニー・ピクサーで映画化して欲しい作品です。

ラゴスが旅する先々の都市は、それぞれ個性的な街や村で、人物や動物、情景も異なり、読んでいて飽きさせず、どんどん物語に引き込まれていきます。

最後に「いよいよ!これで、あの人と!」と、思わせてくれてクライマックスを迎えますが、出来れば何らかの形を作って欲しかったような寂しさもあります。

しかし、ある意味では、世の為、人の為に献身的に尽くしてきた(結果的に)ラゴスが、最後の最期では、自分自身の意志を貫く為に、旅立っていくという終わり方というか始まりといってもいい、このエンディングには深い意味があると思います。

始めっから終わりまで「ラゴスの旅」なんですが、「旅のラゴス」という題名をつけたところに、センスを感じますね。

老若男女、誰が読んでも楽しめる作品だと思います。


★★★★4つです。

二つで一つ!「冷静と情熱のあいだ-Rosso」by江國香織

2017年02月13日 | 小説レビュー
〜穏やかな恋人と一緒に暮らす、静かで満ち足りた日々。これが私の本当の姿なのだろうか。誰もが羨む生活の中で、空いてしまった心の穴が埋まらない。10年前のあの雨の日に、失ってしまった何よりも大事な人、順正。熱く激しく思いをぶつけあった私と彼は、誰よりも理解しあえたはずだった。けれど今はこの想いすらも届かない―。永遠に忘れられない恋を女性の視点から綴る、赤の物語。
「BOOK」データベースより

辻仁成の「Blu」を読んでから、「Rosso」の存在に気付いて、読むかどうか少し思案しましたが、せっかくなので読みました。

結末はわかっているので、軽く読み進めましたが、皆さんのレビュー通りの感想です。

辻さんの方は精緻に感情もストーリーも情景も描かれており、江國さんの方は、抽象的にフンワリとぼやかしたような絵画を思わせる書き方でした。

「Rosso」も「Blu」も一巻ずつ読みきってしまうと全く面白くありませんので、二冊同時に借りて、Rosso→Blu→Rossoという風に一章ずつ交互に読んでいくと、二人の状況や気持ちの変化が楽しめると思います。

二巻同時にセット販売されたようですが、これは出版社のミスですな!一冊にまとめても600頁~700頁ぐらいになると思うので、交互に配置して、一気に読ませれば、もう少し評価も上がったと思います。

僕は江國さんの文章の方が好きですね!

★★★3つです。

スクーピーがやってきた!

2017年02月12日 | 車・バイク
もう、かれこれ20年ほど、僕の足として活躍してくれたスクーター・ジョグも、とうとう寿命がきまして、いよいよ買い換えることになりました。

中古バイクショップを眺めてみても、最低でも5、6万円はするので、オークションを探しましたが、これもなかなか良い出物がなく、どうしようかと思案してました。

「中古・スクーター・京都」でネット検索をしていると、「ジモティー」という、サイトがヒットしました。

そこで見てみると、京都市内からの出品で、なかなか良い状態のものがあり、連絡を取り合ったところ、うまく合意することが出来ました!

早速、ご自宅まで引き取りに行ったところ、とても良い方で、書類もキッチリと揃っており、丁寧にご対応いただきました。

家に帰ってから、水垢落としや、激落ちくん等を駆使して、磨きまくったところ、とってもきれいになりました!

エンジンも快調で早速乗りまくってます(^-^)v

オークションで、いろいろなパーツを物色しながら、楽しんでます。

やったよ!ベスト16!

2017年02月12日 | 雑感・日記的な
ホンマに厳しい戦いでした
((((;゜Д゜)))
フルセットの末、3セット目も最後までもつれましたが、何とか勝ち抜いてくれました\(^^)/

これで、京都府ベスト16です。とりあえず、ここまでくるのが最低限の目標やったんで、あとはいけるとこまでいって欲しいです。

そんなに背が高い子がいるわけでもないですし、飛び抜けて上手い子がいるわけでもありません。

ホンマにチーム一丸となって勝ってきたチームです。

また良い思い出を作ってくれた娘たちに感謝感謝です。

やはりイマイチ「冷静と情熱のあいだ―Blu」by辻仁成

2017年02月09日 | 小説レビュー
~あのとき交わした、たわいもない約束。10年たった今、君はまだ覚えているだろうか。
やりがいのある仕事と大切な人。今の僕はそれなりに幸せに生きているつもりだった。だけど、どうしても忘れられない人、あおいが、心の奥に眠っている。
あの日、彼女は、僕の腕の中から永遠に失われてしまったはずなのに―。
切ない愛の軌跡を男性の視点から描く、青の物語。「BOOK」データベース


映画化もされていますし、有名な作品ですよね。
辻仁成氏の作品は、「サヨナライツカ」で体験済みだったんですが(-_-;)図書館で頼んでいる本が中々届かなかったので、埋め合わせに読むことにしました。

まぁ、読むスピードが全然上がらなくて、一週間かけて、やっと読みきりました。

イタリアのフィレンツェが舞台で美しい描写なんかも随所にあるんですが、主人公にもイマイチ感情移入出来ず、脇役も光らず・・・(-_-;)
待ちに待ったクライマックスシーンでも、それほど感動できず(-_-;)


そして中途半端なエンディングで、「えっ終わり!?」という終わり方でした。

あとがきを読んで「江國香織女史」との連作「冷静と情熱のあいだ―Rooso」というものがあったことに気が付き、さらに落胆(-_-;)。

主人公・順正の気持ちの移り変わりを辻氏が書き、ヒロイン・あおいの気持ちを江國氏が書き、交互に連載されるという形で物語が進んでいったようです。

レビューを読んでみても、「Rossoから読んで正解!」、「Rossoから読むべき」というレビューがいくつかあり、またしても落胆(-_-;)

まぁ落胆続きの作品でしたが、自業自得の部分もあるので、
★★2です。

「パイロットフィッシュ」3回目(*´-`)

2017年02月03日 | 小説レビュー
同じ小説を三回も読んだのは初めてです(^_^)

それくらい好きな作品なんですね(#^.^#)

3回目でも、後半の『あの部分』では、相変わらず「ハッ!( ; ゜Д゜)!」って、なりました。

やっぱり、この作品の世界観、空気感、セリフもキャラクターも、みんなみんな僕好みで合うんですよね。

渡辺さんと、沢井さんの台詞が、あと少しだけ深ければ・・・、もう少しだけエロが抑えられていたら・・・(^_^;)
☆が半個は増えたと思います。

本当に癒される素晴らしい作品です。

とても良い話です「とんび」by重松清

2017年02月02日 | 小説レビュー
〜昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。愛妻の美佐子さんとのあいだに待望の長男アキラが誕生し、家族三人の幸せを噛みしめる日々。しかしその団らんは、突然の悲劇によって奪われてしまう―。アキラへの愛あまって、時に暴走し時に途方に暮れるヤスさん。我が子の幸せだけをひたむきに願い続けた不器用な父親の姿を通して、いつの世も変わることのない不滅の情を描く。魂ふるえる、父と息子の物語。(「BOOK」データベースより)


「流星ワゴン」以来の重松作品2作目です。

重松さんの作品の中で、もっとも感動的で、涙なしでは読めないという前評判に期待をして買ってきました。

ガテン系の親父:ヤスさんと、心優しい一人息子のアキラとの、不器用な関係を支え、手助け、温かく見守る周りの人たちとのエエ話です。

脇役たちのストーリーもエエ味わいを加え、とても心が温まります。

涙もこぼれるところまではいきませんが、感動的なシーンは随所にあります。

どんでん返しやハッ!となるシーンもそんなにありませんが、最後までじっくり読ませてくれます。

★★★☆3.5です。