「心ゆたかな暮らしを」  ~Shu’s Page

小説のレビュー、家族の出来事、趣味の事、スポーツ全般など、日々の出来事をつづりながら、一日一日を心豊かに過ごせれば・・・

後味悪いし「幻夜」by東野圭吾

2015年10月31日 | 小説レビュー
〜あの女のすべてを知りたい。過去も目的も、真実の顔も―。
名作「白夜行」から4年半。あの衝撃が、今ここに蘇る。長編エンタテインメント。「BOOK」データベースより


すごく、切なく、苦しく、重たい「白夜行」の続編とのことで、「雪穂はどうなってるんやろ?」と、ワクワクしながら読みました。

相変わらずの妖艶な美貌と、計算し尽くされた策略を駆使して、どんどんのし上がっていくストーリーです。

表の顔「美冬」と、裏方として支え続ける「雅也」の物語ですが、白夜行の「雪穂と亮司」のような、互いに尊重しあいながら、堅い絆で結ばれているというような関係ではなく、明らかに「美冬(主)>雅也(従)」ということで、読んでいても、虚しい気持ちになってきます。

白夜行では描かれることのなかった内面の汚さだけが目立ち、「美冬のゴール地点には何があるんや?」と、目標が見えてきません。

よって、感情移入しにくく、物語にダイブ出来ませんでした。

しかしながら、さすがは東野圭吾で、読ますスピードはスゴいものがあり、700頁超えの大作ですが、スラスラと読み終えました。

ラストはあまりにも「ええっ!そんなぁ!o(T□T)o」となりますが、もっと別の終わらせ方でも良かったのでは?と思います。

★★★3つですな。

深い淵を覗きこむような「さよなら渓谷」by吉田修一

2015年10月29日 | 小説レビュー
~緑豊かな桂川渓谷で起こった、幼児殺害事件。
実母の立花里美が容疑者に浮かぶや、全国の好奇の視線が、人気ない市営住宅に注がれた。
そんな中、現場取材を続ける週刊誌記者の渡辺は、里美の隣家に妻とふたりで暮らす尾崎俊介が、ある重大事件に関与した事実をつかむ。
そして、悲劇は新たな闇へと開かれた。呪わしい過去が結んだ男女の罪と償いを通して、極限の愛を問う渾身の長編。「BOOK」データベースより


「悪人」が、とっても良かったので、一発で吉田ファンになってしまった僕の、吉田作品第二弾に選んだのは「さよなら渓谷」です。

実は、現在「幻夜」を読んでいる途中なんです。
物語も中盤から後半へという中、月曜日に本を職場に置いたまま帰ってきてしまい、一昨日、昨日と二日間、直行直帰だったんで、「読みたいのに読めへん!」と、悶々としていたんでしす。

んで、自分の読書欲を抑えきれず、立ち寄ったBOOK・OFFにあった、「さよなら渓谷」と、「パレード」の二冊を迷わず買いました。

そして、一晩で読めそうな「さよなら渓谷」を一晩で読みきりました。

と、前置きが長くなりましたが、さて、この「さよなら渓谷」は真木よう子主演で映画化されているんですね。

とってもハマり役やと思いますが、こんなに凄まじい描写を映像でどこまで伝えられるのか?とも思いました。

さて、あらすじですが、真夏の山間の町で起こる殺人事件の裏側に、とんでもないストーリーが隠されているというミステリー小説です。

そこには、想像だに出来ないような、深く悲しく、そしてどうしようもなく逃れられない残酷な運命が描かれています。

題名にある「渓谷」のように、白い水飛沫を上げてゴウゴウと流れる清流の、ふとした岩陰にある深い深い淵を覗きこむような、その奥には得たいの知れない魔物が棲みついているような人間の深層心理に、とても考えさせられました。

★★★☆3.5です。

超大作、やっと終わった!「模倣犯 上・下」by宮部みゆき

2015年10月22日 | 小説レビュー
公園のゴミ箱から発見された女性の右腕。
それは「人間狩り」という快楽に憑かれた犯人からの宣戦布告だった。
直木賞受賞作『理由』以来三年ぶりの現代ミステリー。「BOOK」データベースより



なんせ、上下巻合わせて、1,400頁超えの大作で、忙しかったのもあるけど、読み終えるのに3週間かかりましたわ(*_*;

さすがは、宮部みゆきさんだと思います。書き方が丁寧で、登場人物の一人一人の描写が非常に巧みであります。

それだけに、「長い!」のです(^_^;)

上巻と下巻では、ガラッと視点というか、登場人物の性格まで変わってしまったかのような錯覚に陥ります。

終始一貫して代わらないのは、有馬さんだけではないでしょうか?(武上さんもか?)

長く、長~く、引っ張られた挙げ句にたどり着くクライマックスシーンは圧巻です!

そして静かに、厳格に物語の最後を締めてくれる有馬さんの長台詞に筆者の想いが込められているように感じました。

読んで「損したわ!」と思う作品ではないので、とっても時間のある方は読んでくれたらいいと思います。

★★★★4つです。

いよいよ新人戦が始まりました!

2015年10月12日 | 家族・友達
いろいろとあった次女のバレーボール部でしたが、何とか新人戦を迎えることができました。

予選リーグは順当に全勝し、11月1日から始まるトーナメント戦に進みます。

これからが本番なので、あと二週間あまり、怪我のないように、しっかりと積み上げてもらいたいもんです!

伊坂テイストが随所に「ジャイロスコープ」by伊坂幸太郎

2015年10月03日 | 小説レビュー
~助言あります。スーパーの駐車場にて“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。
人々のささいな相談事が、驚愕の結末に繋がる「浜田青年ホントスカ」。
バスジャック事件の“もし、あの時…”を描く「if」。謎の生物が暴れる野心作「ギア」。
洒脱な会話、軽快な文体、そして独特のユーモアが詰まった七つの伊坂ワールド。書下ろし短編「後ろの声がうるさい」収録。「BOOK」データベースより


七つの物語が収められている短編集です。

図書館の人からは「うーん・・・イマイチかも知れませんよ(^_^;)」と、言われて読んだので、読み終えてみて「そんなことないやん!」というのが感想です。

『浜田青年ホントスカ』は、伊坂さんらしいどんでん返し、『一人では無理がある』は、素直に「好きな話」です。『彗星さんたち』もハートウォーミングなお話ですし、『ギア』以外は、それぞれに楽しみましたよ。

やっぱり短編集ですから、重みや厚みは足りませんが、移動中とかにバラパラと読むには良い本かと思いますよ。

★★★3つです。