仕事で、またまた日帰り長野県行ってまいりました。 今回は岡谷市といって、諏訪湖のほとりにある人口5万人あまりの町です。精密機械が有名ですね!社会科で習いましたね?
まぁそれはさておき、新幹線のグリーン車に乗ると、必ず雑誌の「
WEDGE」と「
ひととき」が前の座席の背もたれに挟んであります。
ひとときは、美しい情景やグルメ、旅のおもしろさなどが書かれており、今月号は京都庭園特集でしたんで、楽しめましたよ。
まぁそれはさておき、WEDGEです。 この雑誌は非常にバランスの取れたビジネス誌で偏りが少ないと思います。好感の持てる雑誌ですね。
その今月号のトップ記事に「倉田 毅さん」という(国立感染症研究所 所長)
方が書かれた記事に、注目してみました。題名は、
「高まる重篤感染症リスク 対応の充実を急げ」です。
書き出しをそのまま写しますと、「高病原性トリインフルエンザが、日本の周囲で猛威を振るっていることから、新型ヒトインフルエンザの大流行が懸念されている。
その他アジアでは、マラリア、デング熱、日本脳炎、結核等が感染症の温床を形成しており、これはわが国にとっても感染症リスクの高まりを意味する。
これに対しわが国は、人員、予算、研究拠点、あらゆる面での体制の薄さを指摘されている。
「人命」が大切であるならば、他人に伝播する感染症への対応の充実が不可欠だ。
と書いてあります。 これは多くの人に読んで欲しいと思います。 これから将来の日本を、アジアを考えた時の安全確保に喫緊に取り組まなければならない課題だからです。
要約すると・・・過去30年余りの間に、30以上の重要なウイルス感染症と10あまりの細菌、あるいは寄生虫、原虫感染症が発生しているが、予想されて出たものは、ただの一つも無いのである。
いま世界の耳目を集めている「トリインフルエンザ」は97年にトリからヒトへ感染し大騒ぎとなった。昨年末までで、患者141名中73名死亡。死者の出ている国はベトナム、タイ、インドネシア、カンボジア、中国等である。
01年に発生したSARSによって、32カ国で8000人以上の患者、774名の死亡者が生じたことは記憶に新しい。今回のインフルエンザは伝播性においてSARSの比ではない。
感染症の恐ろしいところは、自国の衛生環境を整えていれば万全というものでははなく、国外から輸入されてくるものも多い。日本の周辺で感染症が発生したら、現況を認識し対応することが喫緊の課題である。
もしトリないしヒトインフルエンザが発生すれば、鶏は処分し、ヒトへの感染が発生した場合は、正確迅速なウイルス診断を行い、抗インフルエンザ剤を用いて一つ一つ、いわゆるモグラタタキ戦術でたたいていくしかない。
もしこのバリアが破れて、感染拡大がヒトの間で起こると、日本への侵入は時間の問題だ。
現状の抗インフルエンザ剤は外国産であり、いつでも欲しいだけ入手できる状態ではない。世界中に伝播する状態になれば取り合いになるだろう。ワクチンは97年、03年のウイルスから作成したので、新しいウイルスにはあまり効果がない。
ヒト→ヒト感染が起きた場合、そのウイルスを入手して、ワクチンを作らなければならない。有効性、安全性を確認して初めて大量生産ができる。それを再チェックしてから市場に出るわけで、どんなに急いでも最低6ヶ月はかかる。
ところが、日本の感染症に対する体制は心許ない。もっとも深刻なのは人材の問題であり、国立感染症研究所には300人の研究者と80人の事務スタッフがいるが、トリインフルエンザに対応できる専門家は5,6人しかいない。にも関わらず、一律的に進められる公務員削減によって、5年間で40人減らすことが決まっている。
感染症研究に当てられる国家予算は癌研究の数分の一である。癌は伝播しないが、感染症は国民の間に一気に拡がりかねない病気であり、顕在化してからでは遅いのである。
長くなってきたので、続きは明日に!!