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深い心理描写&笑い『ギケイキ3』by町田康

2024年08月24日 | 小説レビュー
『ギケイキ3』by町田康

「やっば、てめぇらすげーわ。最高の敵だよ」。日本史上、屈指のヒーロー源義経を描いた古典『義経記』を、小説として現代に甦らせた超絶技巧・抱腹絶倒のシリーズ第3弾。「BOOKデータベース」より

2018年11月に書いた、「待望の!『ギケイキ2』by町田康」以来、5年の歳月を経て、『ギケイキ3』を読みました。

相変わらず、とんでもない深さの心理描写で、義経をはじめとする登場人物の心の中、歴史では語られなかった思いが、町田康の筆によって、読む者に感動と共感を与えてくれます。

本書は大きく分けて3つの章に分かれていると言えます。
佐藤忠信が殿を務める『吉野退き口」ともいえる壮絶な死闘編、義経を匿った高僧・聖弘得業による頼朝オルグ編、静御前の舞編です。
特に得業による頼朝オルグ編は、討論のやり方、自身の主張の仕方、相手の質問に対する答え方など、今を生きる私たちに不足している『コミュニケーション力』の向上に大いに参考になるやりとりでした。

本来の義経記なら、あっという間に読み終えるぐらいの章だと思いますが、町田康の筆にかかると、これだけの496頁におよぶ文章量となります。それでもグイグイと引き込まれ、どの章も読み応えがあり、笑いあり涙?あり、で心震える作品となっております。

いよいよ、続編『ギケイキ4』が完結編となっているとのことで、発刊が待たれますが、楽しみに待ちたいと思います。

★★★☆3.5です!
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