素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

年齢の差

2022年03月14日 | 日記
先週の「カムカムエヴリバディ」で、小さい頃からあこがれの存在だった小夜子の婚約を知り、自暴自棄になった桃太郎が姉のひなたと言いあう場面があった。いかんともしがい11歳の年齢差を嘆く桃太郎。
 「ずっと好きやったんや 子どもの頃から。 早よ大きくなりたかった。さよちゃんのために。
  でも、僕が小1の時さよちゃんは高3で、僕が中1の時さよちゃんは もう 先生に。
  いつになったら追いつけるんやろ? いつになったらさよちゃんにふさわしい男になれるんやろ?
  そう思いながら 勉強も野球も頑張ってきた。
  それやのに なんで さよちゃんは待っててくれへんかったのやろ・・・・・」
 桃太郎役、青木柚くんの渾身の熱演シーンだったが大きな声で笑ってしまった。「何が面白いの?」と妻に問われたが説明不能。
 
  ずっと前にブログに書いたことが頭の中に突然浮かんできただけのことで、その中身を話しても理解できないことは明白。

「たわいもない 年の差の話」(2009年8月25日)
昨日、職場の元同僚と話をした。話の中で、年の差のことが出てきた。もうすぐ45になるか、45になったかは、もう定かではないのだが、とにかく私とは13違うということになり、そのことを巡ってとりとめのない話が続いていった。その時にはふれなかったが、年の差ということには ちょっとした思い出がある。

 数学の教師をしていたから、当然、授業の中で数字をあつかうことが多い。いろいろな単元で、2つの数字を比べるということが出てくる。そういう時には、必ず、V.S.O.P.(Very Special One Patternの略)を恐れず、次のようなことを話す。

 「生活の中で、2つの数を比べる時って、たくさんあります。たとえば、身近なことで、中間テストで50点やったのが期末で70点になった。この喜びを1つの数字にして伝えるには、2つの方法がある。1つは加減で伝える。もう一つは乗除で伝える。これしかないのである。なぜなら、計算は死ぬまで加減乗除の4つしかないから。
 前者だと70-50=20と頭の中で計算して『中間より20点もあがったで』
という、後者だと、70÷50=1.4として『中間の1.4倍やった』という、もうちょっとひねりを入れて『14%アップ!』という言い方もある。
 これはテストに限らず、ダイエットでの体重。スーパーでの値引き。塾の合格者数の比較などに、どちらを使った方が、受け手にインパクトを与えるかを考えて使い分けてるから、せっかく数学を勉強してるんやから、意識して見ていって欲しいな。200円を100円にする時、100円引くというか半額というかや」などとしゃべっている時、《愛があれば年の差なんて》という古い歌も思い出し、「年齢はあまり乗除を使わないな」と口に出したとき、頭の中で(ちょっと待て)の声がした。

 授業は、本題に進んでいるのだが、頭の中は(年齢差)で止まっている。当時35歳になった私は、帰省した時、父親との関係が微妙に変化してきているの感じていた。高校生の頃はずうっと遠い存在で二人でいてもほとんど会話がなかった。最近は、自然な感じで話をするようになってきた。年の差26は同じなのに。そこで、2人の年齢を加減でみていると、永遠に26の違いがあるが、乗除でみてみると18の時は、44÷18で2.44倍だが35の時は61÷35で1.74倍となり、値が小さくなる。微妙な関係の違いはこれか!なんてわけのわからない感動を勝手にしていた。口に出せば、確実に『変な人』になってしまう。いままで誰にも言わなかったが、もういいだろう。

 「先生とは13違う」と言われた時、私が「う~ん、加減で考えると、永遠に13の違いのままだけど、乗除で考えると、私が教師になった23の時は、23÷10で2.3倍の開きが、今では、58÷45で1.28倍となっている。もし、あなたが私の年齢になったら71÷58で1.22倍になる!100になったら87で1.14倍やで!!」なんて興奮気味にしゃべり始めたら、聞かされている方はたぶん、頭の中は「?????」となり「それがどうしたの?」となるだろう。

 それがどうしたと言われたら、答えようのないくだらない計算をしていることぐらいはわかる。せいぜい「お互いに、長生きしような。ということかな?」とはぐらかすしかない。


 このブログを書いた時は、私は58歳、84歳の父との関係の変化についてふれているが、同じような思いを今、息子との関係で感じている。私と息子の年齢差は27歳。つい最近まで父と私の関係同様、あまり日常的な会話はなかった。しかし、去年あたりから息子の方からよく話してくるようになった。乗除で考えれば70÷43、約1.6倍になった頃となる。

 そう考えると桃太郎が25歳になれば36÷25=1.44で年齢差11の壁は破れるかもしれない。

 さまざまな思いがごちゃごちゃとなって笑いとなった。
コメント
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