素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

安全を支える力

2012年12月05日 | 日記
 中央自動車道笹子トンネルの天井崩落事故の一報を聞いた時は「こんなこともあるのか」と驚いた。橋の老朽化の問題はここ数年マスコミでも取り上げられていたので認知していたがトンネルにも危険性が潜んでいるとは知らなかった。かまぼこタイプのシンプルな構造だと思っていたが、そうでないものもあったのだと知ることになった。事故によってその構造を知るとは残念である。

 高速道路ではリフレッシュ工事が定期的に行われているので安心していたが、盲点は常に存在するということを教えられた気がする。何の予兆もなく突然1t余りの天井板の崩落、偶然居合わせたNHKの記者のその時の様子の話は現実というよりは映画の中の出来事みたいな感じがした。これから事故の検証作業が始まるだろうが今後のためにも多角的に掘り下げてほしい。

 “安全を支える力”の弱体化には現場だけの責任ではないもっと大きな問題が存在しているのではないかと思っている。“安全第一”というが世の風潮、流れは本当に安全が“第一”となっているのか疑問に思うこともある。安全より効率、便利さ、コストなどが優先されていることはないのか?と考える必要がある。“安全第一”を優先した時に生ずる何らかの不便さを覚悟することも必要だし、そのことをもっとアピールしていかなければいけないのではないか。

 “新幹線の安全神話”は日本の誇るべきものだが、それは「神話」ではなく、“安全を支えてきた人々”のたゆまない努力の結晶だということをもっと世に知らせていくことも大切だと思う。先日、広島の市電の保守点検にたずさわる方を特集していたが、古いタイプの市電の部品を手作りして修理にあたり、数ミリの調整を妥協しないで黙々と続けていく姿勢には頭が下がった。そういう人の存在が心にあるのとないのでは物の見方が違ってくる。

 新幹線の営業運転が終った深夜から早朝にかけて毎日計画的に進められている保線の作業は、“安全を支える力”のお手本であると考える。 
日本機械保線~マルタイ・道床整理車・道床安定作業車~(←クリック)

 

 

 
 
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